″イタリア コメディ映画″『泣いたり笑ったり』感想

大人になりきれない大人たちの
イタリア式コメディ映画の話。

泣いたり笑ったり

『泣いたり笑ったり』予告編/12.2公開

データ

公開:2022年(日本公開)
製作国:イタリア
監督:シモーネ・ゴダノ

あらすじ

バカンスを過ごすため南イタリアの港町ガエータの別荘を訪れたのは、
快楽的に人生を享受する裕福なカステルヴェッキオ家と、
代々漁師の労働者階級のぺターニャ家。
価値観や家族観もまるで対照的な2つの家族を待ち受けていたのは、
両家の父親トニとカルロの再婚の知らせだった。
父親にひとかたならぬ思いを抱く、双方の家族は大混乱!
元恋人や娘、息子たち、果ては両家の孫まで巻き込んで、
バカンスは予測不能な大騒動に。
果たして両家の諍い、トニとカルロの恋の行方は――。

出典:映画『泣いたり笑ったり』オフィシャルサイトより引用

 
SDGsが掲げるジェンダー平等の作品かと
最初思ってたんだけど、ちょっと違った。
 
 
「不快と思うのは、その人の問題だ」というセリフが象徴するように、
自分の気持ちの置き場を他人に求めて、四苦八苦する家族たちの話。

まあ、親父同士が“再婚”は
誰でも、ぶったまげると思う。
 
 
人公ペネロペは、とかく父・トニからの愛に飢えた人。
肉体は大人だけれど、精神が子ども。
だから、今まで子育てを放棄してきた父・トニが
幸せになるのが、憎くて憎くてたまらないんです。
 
それもよりにもよって、相手が男。
 
飲み込まないといけないことが
自身の理解をこえすぎて、
苦悩のあげく結婚の妨害にはしるわけ。
 
 
じくカルロの息子・サンドロも、
やっぱり、父がゲイになったとは
信じたくなくて、苦悩するのだ。
 
そんな二人が、父の結婚を何とかしようと
奔走するうちに、
あれやこれやと起きていく。
 
 
ニはトニで、なまじ裕福なものだから、
庶民の気持ちがまったく分からない。
良くも悪くも自分の気持ちにあるがままに生きている。
子どもが全員、母違いという自由さ。
んでもって、バイである。
 
口論するときも、静かに語りかける感じで
嫌みっぽさが鼻につくタイプ。
 
 
ルロはカルロで、
子どもたちに受け入れてもらえるかどうかが、不安で
がんじがらめになっている。
おじいちゃんでもあり、父でもある、
本作一番の苦労人。
彼が右往左往するさまを楽しむ映画といっても過言ではない。
 
口論するときは、声を張り上げるタイプ。
しかし、2児の父らしく、
無暗やたらに怒るわけでもない快男児。
トニと比較すると正反対の人間だと、よくわかる。
 
 
登場人物のほとんどが、
「こんな気持ちになるのはアイツが悪い!」と
相手を責め立てていく。

しかし、次第に気持ちの置き場に気づいていき。。。
ざっくり、そんな話だと思いました。

 
 
物語は繊細な部分もありつつも、
情熱的な演技が印象的。
 
イタリア映画は初めて見たけど、
男たちのかる~い感じとか、
イタリア式皮肉とか、楽しくて良いですね!
トニとカルロという、
対照的なイタリアン・ダンディが
絶妙にかみ合わないところとか面白い。
 
 
劇中のサウンドも、けっこう好きなんだよなぁ。
 
ただ、カルロじいじの今後の心労が気になる。

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