″ネタばれ無し″『ハッチング ―孵化―』 感想

映画

モイ!
今回はフィンランド発の
ホラー映画を見てみたよ。って話。

ハッチング ―孵化―

出典:『ハッチング ー孵化ー』公式サイトより引用

データ

公開:2022
製作国:フィンランド

あらすじ

12歳の少女ティンヤは、
完璧で幸せな自身の家族の動画を世界へ発信することに
夢中な母親を喜ばすために全てを我慢し自分を抑え、
新体操の大会優勝を目指す日々を送っていた。
ある夜、ティンヤは森で奇妙な卵を見つける。
家族に秘密にしながら、その卵を自分のベッドで温めるティンヤ。
やがて卵は大きくなりはじめ、遂には孵化する。
卵から生まれた‘それ’は、幸福な家族の仮面を剥ぎ取っていく・・・。

出典:『ハッチング ー孵化ー』公式サイトより引用

ホラー映画にしては
珍しくPG12指定なんですよ。
 
だから、過激なシーンはありません。
 
目を覆いたくなるようなシーン無しで、
怖くできるんだろうか?って
侮ってました。
 
ちょっと前に、同じくPG12の
「バイオハザード
ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ」を
先に見ちゃってたから
余計そう思ったわけで。。。
 
 
ただ杞憂でしたね。
 
びっくり系ではなくて、
「それでいいのか?」系と言ったら
いいのかな。
 
「リング」のラストのような、
解決してると言えるし、
解決してないとも言える。
 
そんな感じの映画でした。
 
 
 
 
本編中、象徴的に使われていたのが
ミラー付きクローゼット。

 
とある“モノ”が出てくる場面で
登場します。
 
 
鏡がついているところがポイントだと
思っていて。
ただのクローゼットでも
良かったはずなのに、
なぜ、わざわざこれにしてるんだろう。と。
 
劇中で鏡が映すのは、
何かと考えると、察することができそうです。
 
 
鏡が映すのは、主人公ティンヤ。
つまり、ティンヤの心を表していると。
 
ティンヤの心のクローゼットを
開けて出てくるのは・・・、
彼女の“欲望”ともいえるドス黒い部分。
 

制作者であるハンナ監督が、
インタビューで言っていたこと。

「自分のありのままの姿を見せても
愛されないことが、
ホラーではないかと思ってる。」

 
これが、一番表現できているのが、
クローゼットのシーンではないかと
思っています。
 
 
 
そして、もうひとつ
注目してほしいのが、
主人公ティンヤを演じた
シーリさんの表情の芝居!
これが、抜群に上手い。

 
怒り、悲しみなど
いろんな感情が混じった、
微妙な表情ができるんですよ。
 
 
卵を見つける場面で、
カラスの頭に石を打ち付けるシーンがあります。
 
―あ、そうそう。
カラスの卵を拾うんです。
 
瀕死のカラスを見つけて、
助けようとするんだけど、
カラスに拒絶されてしまい、
石で殴る。
 
そこには、苛立ちだけでなく、
悲しみもある。
 
ここの表情がヤバい!!
カラスに自分を重ねたのかな。とか、
我慢を強いる母親と、
自分を重ねたのかな。とか。
いろんなことを考える。
 
 
個人的には、
父親を見つめるときの表情がツボ。
 
ほんと、軽蔑、哀れみ、
いろいろ入ってたからね。
あんな目で見られたら、
俺は、引きこもりになりそうだ。
 
 
 
いっぽうで、
家族のうち、父と弟が
かなり軽く扱われている。
 
不自然なくらい出てこない。 
あえて、出さないことで
印象に残らないようにしている。
それは、彼らが、
ティンヤにとって
重要な存在足りえないことを指すのかも。
 
 
そのほか、
本編で出てくる“とある生きモノ”が、
造形物としてしっかり気持ち悪いことも、
ポイント高い。
 
ただ気持ち悪いんだけど、
コイツへ、変に愛着が生まれて。
E.T.みを感じてしまった。
その分、後半のギャップがエグいけど。
 
 
 
映画の最後は、
タイトル通り何かが孵化して終わる。
その「何か」は見た人によって
変わるんじゃないかと思いました。
 
 
それでは、以上
「ハッチング ―孵化―」でした。
モイモイ!

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