″映画感想″ モガディシュ 脱出までの14日間

映画

現状、今年No.1のハラハラ度。
な映画の話。

モガディシュ 脱出までの14日間

出典:映画『モガディシュ 脱出までの14日間』オフィシャルサイトより引用

データ

公開:2022年
製作国:韓国
監督:リュ・スンワン

あらすじ

1990年、ソウル五輪で大成功を収め勢いづく韓国政府は国連への加盟を目指し、
多数の投票権を持つアフリカ諸国へのロビー活動に励んでいた。
ソマリアの首都モガディシュで韓国大使を務めるハンは、
現地政府の上層部に何とか取り入ろうとしている。
 
一方、韓国より20年も早くアフリカ諸国との外交を始めていた
北朝鮮のリム大使も国連加盟のために奔走し、
両国間の妨害工作や情報操作はエスカレートしていく。
 
そんな中、ソマリアの現政権に不満を持つ反乱軍による内戦が激化。
暴徒に大使館を追われた北朝鮮のリム大使は、
絶対に相容れない韓国大使館に助けを求める決意をする。
 
果たして、ハン大使は彼らを受け入れるのか、
全員で生きて脱出することができるのか、そしてその方法は──?

出典:映画『モガディシュ 脱出までの14日間』オフィシャルサイトより引用

韓国と北朝鮮、
ソマリア民と外国人
反乱軍と政府軍
子どもと大人。

さまざまな隔たりが描かれる。

この隔たりというのは、
映画に限った話でなく、
現実の日本にもあることだと思う。
 

多くの隔たりの中で
折り合いをつけて、
我々は生きているのだ。
それに気づくし、気づかされる。

隔たりの中で
自分の領分を守るための戦いとは?
 
 
モガディシュの劇中に
繰り返し出てくるのは、
「ここは俺の領土だ」というセリフ。

なんか子どもの時の遊びを思い出した。
地面に棒切れでもって線を引いてさ。
「ここから、ここまで俺の陣地」って言うわけ。
 
今、思えば何が楽しかったのかだけど、
自分の領分、パーソナルスペースを守る。というのは、
人間の本能なのかもしれません。
 
 
命を賭けた、一種の陣取り合戦が、
この「モガディシュ」かとも思いました。
 
 
印象に残るシーンはいっぱいあるんだけど、
ネタバレにならない程度に書くなら、

リム大使のセリフ。
「ここから、我々の闘争目標は生きて脱出すること」
的なことを言うわけです。
 
めちゃくちゃしびれます。
 
というのも、ここに至るまでに、
丁寧な前振りがあって。

韓国と北朝鮮といがみ合っていた二国。
これは、もう部外者には分からない、
感覚の大きな溝があるわけ。
 
外交に関して、
お互いがお互いの足を引っ張り合うってね。
 
しかも、北朝鮮がわの子供たちの目を
親が手で覆って
“韓国人を見ちゃいけません”ってするのは、
相当、根が深いんだろうと。

そんな二国の大使が、
同じ目標を掲げる良いシーン。
 
 
そして、もっと根が深いのは、
ソマリアの反乱軍ね。

腐敗政治の政府に憤りを感じていて、
そんな政府に資金を流す他国にも
同様に憤りを感じている。
 
だから、手当たり次第に
大使館を攻撃してるさまは、異様。

韓国大使館がわが反乱軍に向けて
「外交演説の入ったテープ」を流すシーンは
最高に皮肉が聞いてて良かった。
 
銃が乱射されてる時に
あんなの流したら火に油だろ、と。
 
もういっこ、
北朝鮮側も、ソマリアの少年兵に遭遇するシーンが
かなり強烈にインパクト残るんだけど。。。
 
あの子どもたちは。
無邪気な子どもとして見れば良いのだろうか?
これ、よく物語に組み込んだなぁって感慨深い。
どうしたって越えられない隔たりを感じましたけど。

 
そして、終盤のカーチェイス。
こんなのがあるなんて想像してなかったから、
意表を突かれて、思いのほか興奮した。
 
車をあるもので、武装しててさ、
敵陣の真っただ中を突っ走るわけ。
 
ここが一番ハラハラしました。
 
さらに、カーチェイスのタイミングで
異なる4つの組織が一堂に会する睨み合い。
 
どうなるのか、さっぱり読めない展開で、
面白かったです。
 
 

実は、「モガディシュ」は事実を基にしてるらしく、
なかなか、ビターな展開も多々ある。

しかし、分かりやすいハッピー展開じゃなくても、
お互い心では通じ合ったのかもしれない。
 
そんな風に思わずにはいられない映画でした。

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