【いまさら言いにくい感想】映画「メメント」

映画

昨年、衝撃を受けた映画
「TENET」

出典:ワーナーブラザーズHPより引用

全ての時間が逆行する世界を逆再生で描き切った意欲作。

この凄さをヒトコトで表すことができたなら、
きっと優秀なクリエイターになるであろう。

・・・と思うくらい、
見た人、それぞれの解釈ができ、
議論が白熱する面白い作品でした。

で、

これを監督した
クリストファー・ノーランの
出世作「メメント」を今更ながら見ました。

そんな話です。

メメント [ ガイ・ピアース ]

2001年の作品ですから、
巷に考察が溢れかえっている映画です。

考察が溢れているということは・・・

そう、かなりアートな作品なんです。

ざっくりあらすじ。

約10分間しか記憶を保てない
前向性健忘という記憶障害になったレナード。

彼が最愛の妻を殺した犯人を追うサスペンス。

この主人公・レナードのインパクトが凄くて。

彼は「始めまして」の人物・場所に対し、
ポラロイド写真を必ず撮影。

そこに、
どういう人・物なのかメモし、
何とか記憶を繋ぎとめている。

さらに、どうしても忘れちゃいけないことは、
体にタトゥーを彫っちゃうのだ。

だから、体中なぞのメッセージだらけ。

どっからどう見ても変。

これだけでもワクワクする材料だけれど、
さらに、深みが増すのは物語の描き方。

最初に結末があり、
徐々に時間を遡っていくのである。

カンタンにいうと、

まず、結果がある。

その1時間前を描く。

さらに、そこに至った
1時間前を描く。

さらに、そこに至る・・・

という具合だ。

※分かりやすく1時間前としたけれども、
実際は数時間、数分前。


 
この手の遡り系で多いのは、

全ての起源から、
徐々に現在に近づいていく。

この構成が普通だし、
物語の時間軸も狂わないので見やすい。

しかし、
徐々に過去に遡って、
最後に起源に辿り着く。

という構成は、

ちゃんと見て、
ちゃんと結果を覚えておかないと、
どんどん混乱していく。

つまり、全く目が離せない。

さらに、この映画が
議論を生んだ仕掛けがある。

それは過去回想。

時間が遡るだけでも難しいのに、
主人公の過去を振り返るパートが
あいまあいまに差し込まれていくのだ。

そして、
現在の物語は時間が逆行するのに対し、
過去回想は順行で進んでいく

これが分かるまでが中々難しい。

一応、混乱を避けるためか、

現在はカラー。
過去はモノクロと視覚で判断できるよう、
分かりやすくは変えてある。

この、モノクロ映像とカラー映像の
時間軸が徐々に近づいていき、
最後にまじりあう。

そして、迎える衝撃の結末。

この仕掛けが理解できると、
アドレナリンがドバドバ出て、
目がギンギンになること間違いなし。

こういった構成はとても珍しい。

唯一、ほかで知っているのは、

ミュージカル
『メリリー・ウィー・ロール・アロング』くらい。

こちらは仲違いしてしまった親友3人の、
失われてしまった絆を逆再生で描いている。

逃れようのない結末。

そして、誰しもが直面した人生の分岐点。

「あの時ああしていれば」と思わずにいられない
面白い作品です。

ちょっと、話がそれましたが、
とにかく「メメント」
まだ見ていないかたは、ぜひご覧頂きたい。

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