52ヘルツのクジラとは?
他のクジラが聞き取れない
高い周波数で鳴く、
世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに
何も届かない、
何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと
帯より引用
言われている
2021年本屋大賞を受賞した本作。
ひとことで言うと、
「わたしはここにいる!」と
腹の底から叫びたくなる物語。
女性作家が書いたものって、
なんか、こう・・・
心理描写が卓越してるよね。
特に最近は
ハードSF「三体」を読んでいたから
特にそう思う。
さて、物語のあらすじです。
主人公は・貴瑚(きこ)。
26歳のアラ女だ。
彼女は、虐待・介護と、
家族に人生を奪われ続けた
軽々しく人に話せない過去を持つ。
そんな貴瑚が
大分の田舎に引っ越してくるところから
物語はスタートする。
そこで出会ったのは、
母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。
孤独な2人が出会ったことで、
新しい人生が動き出す。
以上!あらすじ。
「52ヘルツのクジラたち」には、
2人以外にもさまざまな「孤独」を
抱えた登場人物が出てきます。
嫌味な登場人物も、
友好的な人物も。
こんなに「孤独」の
レパートリーがあったのか。。。
まるで「孤独のバーゲンセール」
今まで読んできた、
ビジネス書なり、
自己啓発本は
例外なく一つのことを言っています。
「人は誰かのために生きている」
だからこそ、
「52ヘルツのクジラたち」は
心を揺さぶるのかもしれません。
現状、今年イチ。
面白い小説。
誰でも声にならない声を
あげています。
その声を聞いてあげることは
できるのでしょうか?
ちょっと、感慨深くなってしまう。
ただ、この物語は、
しんみりだけでは終わらず、
ほのかに心温まる結末を迎えます。
この読後も良い感じ。
ちなみに、帯裏におまけ話が
載っているので、
中古より新品を買うことをおススメ。
前日譚なので、
本編、読み終えた後、
茶菓子でも食べながら読むと良いかも。
コメント