【たまにはこんな本】「芸術起業論」 感想

書籍

ビジネスマンの間では、
現代アートを学ぶ、楽しむことが
注目されているらしい。

というわけで。

こういう本を読みました。

芸術起業論 (幻冬舎文庫) [ 村上隆 ]

2006年の本です。
日本で現代アートといえば、
この人、村上隆さんの美術に対する
思いを綴っています。

・・・村上さん、ガチャピンみたいな目ヂカラを感じる。
なんでもできそう。
 
 
読んだ感想をまとめると。
たぶん、こういうことなのかな。

芸術とは
高度な知的ゲームである。

 
 
どこら辺が知的なのか?
この本をもとに少しばかりひも解いてみましょう。
 
 
 
そもそも、現代アートが難しいと
思われている要因のひとつは、
「客観的に描かれていること」です。

なぜ主観で描かれないかというと、
それは「時代の風潮」や「うわさ」など
不確かなものによって、その時その時で
捉え方が変わるから。と語っています。

もちろん、国の違いによっても
捉え方が変わるでしょう。

そういった価値観の違いを乗り越えて
理解してもらう方法!
それが「客観」というわけです。
 
こうも言っています。
「私たちは作品の奴隷」
 
つまり、大事なのは作品であって。
作家の人生観を極力消していく作業が、
必要なのかもしれません。
 
 
というわけで、何が伝えたいのか?
はっきりと分からないところが、
見る人に言いようのない気持ち悪さを
与えているのかもしれません。
 
でも、裏を返せば。
価値に気づければ、自慢できます。
 
美術には、欧米を中心とした暗黙のルールが存在し、
沿わないものは、そもそも評価外だそう。

で、現代アートの目指すところは、
今までの美術のルールを越えて、
「確信犯的ルール破りがあるか」
「新しいゲームの提案があるか」
「美術史の新解釈があるか」

これにいちはやく気付けるかという
なぞ解きゲームの要素がある。と。
 
美術作品を買う人は、
「俺は何十万ドルもだしてこの絵を買った面白いヤツ」
と言いたいわけです。
 
価値に気づいているぞ!
人より先をいってるぞ!

そのアピールをするがゆえに、
美術は「知的ゲーム」なんです。
 
 
このゲームに生き残るには、
まずは、ルールを知ることが大事。
そのうえでルール破りを目指す。
アレンジメントでは生き残れない。

とはいえ、
すでに誰かが行った手法を知ることはとても大事。
歴史には思いもよらない発見が隠れているものです。
 
  
  
こういった新しいコンセプト作りを
村上さんは「文脈」とよんでいます。
  
実は絵を描くこと以上に、大事なことは「文脈」

文脈を言葉で説明できなければならない。と。

絵はどう紹介するかが命で、
目的に合う設定を作りこまなければ他人には届かない―。
 
そのために、
「何の目的でやるのか」
客観的に把握しなければならなくて・・・。
 
つまるところ美術とは、
好きなようにやっているように見えて、
「自分の興味をつきつめて探していくこと」
あるのかもしれません。
 
 
 
村上さんは、
世界で唯一の自分を発見すること。と
書いていました。
 
これが、
「価値を作ること。」として
美術の考え方を仕事に取り入れようとしているのが、
現在、ビジネスマンの間で注目されている「現代アート」
なんでしょうか。
 
 
まあ、ビジネスに限らず、
人生を豊かに生きるには、
自分なりの価値を築かなければならなかったり。
 
分かりやすい物事って驚くほど少ないですからね。
30年ばかし生きた経験だけで偉そうなこと言えませんが。
 
 
以上、感想でした。
文庫版は携帯しやすくて、
読みやすいのでおススメです。

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