今回はさくっと本題に行きましょう。
こちらの映画の感想です。
羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)
ぼくが選ぶ未来
公開:2019年
製作国:中国
ざっくりあらすじ。
人間によって住処を奪われた黒猫の妖精シャオヘイ。 居場所を求め彷徨う彼の人生を大きく変える出来事が! それは人間ムゲンとの出会い。 ムゲンとの関わりを通じて、 人間と共生する妖精もいることを知ったシャオヘイは さまざまなことを学び、成長していく。
中国で不定期配信中のWEBアニメ
・・・の前日譚だそう。
なので、もともとのWEBアニメを知らなくても
入り込める内容になっています。
ひとことで言うと、
中国で独自進化してきた高クオリティアニメ。
こういうエンタメは、
文化と密接に繋がるので、
日本文化では生まれなかっただろうな。
と感じました。
感心したのは、シャオヘイの設定。
彼は、まだまだ子どもで世間のことを何も知りません。
そのおかげか、旅を通じて世界のことを
少しづつ理解していくわけですが、
それが観客と繋がる部分でもあります。
どういうことかというと、
この映画は世界観説明が最初にほとんど行われません。
冒頭ではいきなり何が起こっているのか
理解しにくいです。
社会に、いきなり放り出された赤子のような気持ち。
それを代弁してくれるのが、シャオヘイです。
彼の理解が深まると比例して
世界観が分かってくるのは、
「なるほどね!」と、感じました。
さて、どの辺りが中国らしいアニメか。です。
それは、カット編集のリズムや、アクションのリズム。
カンフー映画のようなテンポの気持ちよさを感じます。
好きなテンポというのは、
幼いころからの体験によるものだと思います。
ですから、やはり中国にしか作れなかったもの。
かもしれません。
特にカット編集は「時間跳躍」が細かく入ります。
時間跳躍カットというのは、
例えば朝の通勤シーンを描くとき。
普通の日常で考えると、
・朝、目を覚ます
・洗面所で顔を洗い、歯磨き
・スーツに着替える
・朝食をとる
・靴に履き替える
・駅に向かう
・電車を待つ
・電車に乗り込む
・・・と上げたらきりがない。
中には朝起きたら伸びをする。
項目を足してもいいかもしれません。
ですが、
間の時間軸をすっ飛ばして
・朝起きる
・顔を洗う
・電車に乗る
これだけでも成立してしまう。
許されるのが映画の妙。
ロシャオヘイセンキでは、
もっとミクロに細かくカットが入ります。
右から左へ移動するだけでもね!
こういうリズムはなんというか、
昔見ていた「デクスターズラボ」や
「パワーパフガールズ」を彷彿とします。
でも、その2作品とは違う独特のリズムを感じました。
背景の描き込みも、「デクスターズラボ」や
「パワーパフ」と似ている部分もあれば
日本作品っぽい部分もあります。
いろんなところから要素を抽出した結果、
オリジナリティを生み出している。のかな。
最後にストーリー。
お話自体はシンプルで。
旅と共にシャオヘイとムゲンの絆が深まっていき
最後には、ほろりとする。
分かりやすい!
そこはかとなく
封神演義やら水滸伝のような雰囲気もあります。
説明もなく、理不尽に振り回されるシャオヘイの境遇とかね。
こういう独特の世界観を作り出せるのは面白いなぁ。
・・・といったところで今回はここまで!
やっと「三体2 下」を読み終えたので、次はこちらの感想でも。
ちなみに、こちらも中国のエンタメです。
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