【今さら見た映画】リリイ・シュシュのすべて

映画

今さらながら初めてみて。
 
その強烈さに、何度も
再生ボタンを留めたくなった映画。

「リリイ・シュシュのすべて」の感想です。

リリイ・シュシュのすべて[DVD] / 邦画

データ

製作国:日本
公開:2001年

あらすじ

中学生の蓮見雄一は、
同級生の星野修介から
執拗なイジメを受けていた。
 
万引きなどの犯罪行為を強要される日々。
 
そんな2人はかつては親友だったのだ。
どこで関係が変わってしまったのか?
 
鬱屈した雄一の心を癒してくれるのは、
歌手のリリィ・シュシュの曲だけであった。

主人公、蓮見くんを通して、
中学生の少年少女たちが抱える
「心の闇」を描いた映画。
 
映画公開の2001年といえば、
私も中学2年生でした。 
  
だからだろうか。
妙に納得感があるというか。
 
映画のなかで
親友だった蓮見と星野の関係が
ガラッと変わります。

仲が良かった友達と
関係性が脈絡なく変わる瞬間は
私も経験があります。
 
本当に会話とかしなくなるんですよね。
 
ただ、蓮見と星野はもっと劇的な変化をします。
 
二人が仲間と夏休みに沖縄旅行へ行ったさい、
星野が死にかける体験をするんです。
 
その臨死体験が引き金となり、
星野は豹変。
 
弱者をいたぶりはじめる。
今なお、大きく問題視される「いじめ」

そして、蓮見は星野からいじめらるように
なっていくのです。
 
もう、いじめの表現がエグイことエグイこと。
 
人前で裸とか序の口で。
万引きの強要。
売春の強要。
強姦。 
 
もうひどいもんですよ。
そのほか、いじめとは別に
強盗であったり、
援助交際であったり。
自殺であったり。
 
いろんなヤバいことが
次々と起こります。
 
「心の闇」と書いたけれど、
逆にそうとしかいえない、
暗くドロドロとした、
なんというのかな。

人生振り返っても、
たぶん、思い出さないだろう、
思い出したくないであろうもの。
 
そんなものが凝縮された感じの映画でした。
 
 
こんなに「毒」のある作品は、
最近では、みかけないですね。
 
明るく、楽しく、ハッピーじゃないと。
今は見てもらえないのかもしれません。
  
 
 
映画で個人的に好きな表現は3つ。
  
1つ、ドビュッシーの音楽

「月の光」という曲が好きなんですが、
暴力シーンでは、ドビュッシーのキレイな音楽が流れます。

そのギャップが、また鮮烈に残ります。
キューブリック作品を見てるようでした。
 

2つ、あえてのハンディカメラ

沖縄旅行など、荒々しい映像で撮ることで、
ドキュメンタリーっぽさがあります。

「もしかして、これ実話があったんじゃ。」
みたいな気持ちになっていき、
特に「いじめ」シーンでの
この表現は、リアルすぎて気持ち悪い。
 
 
3つ、細かく前後する時系列
  
時系列が、過去と現在を頻繁に行き来するので、
初見だと面食らう部分も少々。

蓮見の心を描いていると思うと、
なんかくるものがある。

「あの頃はよかった」と「逃げ出したい」を
行き来する複雑な10代の心。
 
 
以上、3つです。

それにしても
「リリィリシュのすべて」
なかなか、鮮烈な痛みを感じて、
久々に「映画で良かった」と思える良い作品でした。

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