本業もひと段落したので、
積み映画を消化していこうと思います。
ハリウッドの映画音響の世界に迫るドキュメンタリー。
「ようこそ映画音響の世界へ」
ひとくちに音と言っても、
種類はさまざまで、
細分化していくと概ねこうだと思う。
・登場人物のセリフ
・環境音
・BGM
・効果音
それらひっくるめて「音」
この映画は、その音の入門編といったところ。
ジョージ・ルーカス
スティーヴン・スピルバーグ
ソフィア・コッポラ
クリストファー・ノーランなどなど
名だたる映画監督がインタビューに答えている。
そして一番の核は、
普段あまり気に留めない「音響監督」
彼らがどんなことをしているのか?
その裏側を知ることができる。
あのウォルター・マーチさんも出演。
この人すげえな。
音のすごさを分かりやすく言うのは難しいけれど、
例えば、結婚式のビデオ。
音楽がなかったら、花嫁と花婿のヒストリーに
集中することが難しいかもしれない。
動画の半分は音でできている。
と言っても過言ではないだろう。
とまあ、雑談はさておき。
「ようこそ映画音響の世界へ」を振り返ろう。
映画の初期は、無音でした。
楽団がその場で演奏して
音をつけるスタイルだったそうだ。
その後、マイクでセリフを収録する
トーキー映画が生まれていく。
それに伴い、クリアな音を収録するため
周囲の雑音をカットしていくようになったそうだ。
さらに、技術が進むと「音」を作り出すように!
「環境音」や「効果音」の類である。
音加工の先駆けと言われるのが
1933年公開「キングコング」
コングという実在しない生物の鳴き声作りが
最初だそう。
トラの鳴き声をスローにし、逆再生して
ライオンの声を混ぜ合わせたのが
コングの鳴き声。
ちょっと感動だ。
ちなみにスターウォーズでも
コングの鳴き声と似たようなことが
行われている。
それがR2-D2というアンドロイド
彼の声がヒトの声を加工したものだと
初めて知りました。
他にもいろいろあって!
「トップガン」の戦闘機の音が
実は〇〇だったなんて。
・・・これ以上は見る楽しみが減るから
やめておこう。
余談ですけど、
スターウォーズの音収録マップが
映画の中に出てきます。
「こんなことしてたのか」と思うと
めちゃくちゃ面白い。
映画音響が変わった
ターニングポイントとして、
さまざまな名作映画たちが紹介されています。
初のトーキー映画
「ジャズ・シンガー」
音加工の先駆け
「キングコング」
コンサートホールの声など
場所によって音の反響を作った
「市民ケーン」
初のステレオサウンド
「スター誕生」
5.1chサラウンドの導入
「地獄の黙示録」
これらの大きな変遷もそうですが、
さらに細かく突き詰めていくと
・セリフのアテレコ
・画面に映らない戦場の臨場感を音で表現
・「ゴッドファーザー」などに見られる
音で怒りを表現する手法
などなど
音響監督のやることが多岐にわたっていて
撮ったものをそのまま使っているわけでないことが分かり、
頭の下がる思いです。
確実に映画の見方が変わり、
果ては映像編集において
気の使い方が変わる作品です。
ただ1点、残念なポイントが。
音に注目した作品なので、
テレビの標準ステレオモニターでは
5.1chサラウンドの違いなどが分かりにくい。
そうです。
完全に個人の問題です。
映画館で見ておけばよかった~。
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