【動画編集の参考映画】「シェイプ・オブ・ウォーター」

映画

新作を出すたびに
「最高傑作」になるといっても過言ではない
ギレルモ・デルトロ監督。

彼の2017年の最高傑作
「シェイプ・オブ・ウォーター」の感想です。

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データ

公開:2017年(日本では2018年)
受賞:第74回ヴェネツィア国際映画祭 金獅子賞
   第75回ゴールデングローブ賞 監督賞
   第90回アカデミー賞 作品賞、美術賞・・・などなど
製作:アメリカ

あらすじ

1962年、冷戦下のアメリカ。
発話障害を抱えるイライザは、
政府の極秘研究所で清掃員として働いている。

ある日、研究所内に密かに運び込まれた不思議な生き物を目撃。

半魚人のような姿をした“彼”に
すっかり心を奪われたイライザは、
こっそり会いに行くように。

少しずつ心を通わせていく2人だったが、
ひそかに“彼”の生体実験計画が進められていたー。

この作品は、ラブストーリーです。

異種のラブストーリーというと
近いのは「美女と野獣」かもしれない。

でも、野獣とは言いつつ、
どこか愛くるしい姿をしている彼とは違い、
シェイプ・オブ・ウォーターの“彼”は
「意思疎通ができるのか」
と、どこか恐ろしさを感じてしまう。

そもそも言語が使えないし。

ましてや「愛」なんて・・・

そんなイライザと“彼”が
徐々に心を通わせていく姿を丁寧に描いている。

デルトロ監督らしい、細部への拘りも
随所に光ります。

イライザは耳は聞こえるけれど、
話すことができない。

それを説明する冒頭のシーン。
・目覚ましで起きて
・目覚めのシャワー 首元の大きな傷
・親しい隣人との挨拶でも言葉を使わない

これだけで、伝わるからスゴイ。

「もしかして話せないのかな?」と
見てる人は仮定をする。

答え合わせを探して、
先が気になる。

焦れたところで手話が出てくる。

その答えが分かったところで
指が食われる事件が起きる。

先を見たくなる新しい謎だ。

展開の作り方がさすがだなぁ。

舞台が研究所かイライザの部屋がほとんどなのに、
まったく飽きない。

展開も見事ならば、あらゆる場面が美しい。

・水門を見るイライザのカットとか。
・水中でイライザと“彼”が舞うシーンとか

とにかくフォトグラフィーなカットがたくさんある。

セリフがほとんどないからこそ、
余計に際立つ。

撮り方もそうですが、
美術賞の受賞もうなずけるほど、
セットの作りこみにも圧倒されます。

さらにさらに、
最近の映画には珍しく、濡れ場がある。

ただ、すごく幻想的だ。

言葉にならない感情、生への喜び。
喋れない2人だからこそ必要なシーン。

もうひとつ、
感情表現としてミュージカルパートもある。
ただの言葉以上に、インパクトがあった。

最後にこれも言わせてほしい!
音楽もけっこう印象的。

研究所に侵入するシーン。
イライザが“彼”に音楽を教えるシーン。

この辺りが好き。

さりげなく作曲賞も受賞してたりするので。
なんか、死角がなさすぎて、
“彼”よりも、この映画が恐ろしい。

子どもたちよ!「美女と野獣」より
こっちを見た方がいいぞ!

あ、濡れ場があるから無理か・・・。

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