公式サイトでは「スリラー」
レビューサイトでは「ミステリー」
観客の感想は「ホラー」
どっちなんだよ!
と思うかもしれませんが、
そのどれもが正しい。
謎があり、そこから生まれる恐怖があり、
それらがテンポよくたたみかけてくる。
これを正しく表現するには、
すべてひっくるめた言葉を発明しなければならない。
そんな映画です。
映画の内容については、
あまりネタバレしない方針で。
うっかり書いてたらすみません。
データ
公開:2019年(日本では2020年)
製作:アメリカ、スウェーデン
あらすじ
主人公はパニック障害に悩むダニー。 大学の恋人や友人と共に スウェーデンの奥地で開かれる 「夏至祭(ミッドサマー)」へ行くことに。 目的は民俗学の論文研究として。 太陽が沈まないその村は、 常に明るく、住人たちも陽気で この世の楽園のように思えた。 しかし、次第に不穏な空気が徐々にダニーらを 浸食しはじめる・・・。
公式で「明るいことが、おそろしい」とあるように、
画面の作り方はホラーにしては珍しく、
すごく明るい。
色がキレイに撮られているし、
衣装も白で統一され、
食器やらなんやらの小道具も明るい色だ。
そして、住民たちは常に笑顔。
これが、ポジティブすぎて気味が悪い。
なぜ、気味悪く感じるかと言うと
ここまでの持っていき方が上手くて。
冒頭から
不穏に揺れる旅客機の窓ガラスや
天地を逆転させたカットなど、
怖くはないけど、落ち着かないカットが
少しづつ、はさまれていく。
見てる側の心をグラグラと
不安定にさせていくのだ。
落ち着かなくなってきたころには、
白装束の住民たちが気味悪く見えてくる。
主人公、ダニーがパニック障害ということも踏まえて
ダニーが感じてる日常とは
もしかしてこうなのかな?と重なっていく。。。
ところで、映画の物語。
見ると分かりますが、
「分かると怖い」系で。
どんどん小出しにくる謎を
「これってもしかして・・・?」と
こちらが勝手に想像して怖くなってきます。
例えば、
友人が次々といなくなっていくのだが、
失踪した翌日に出されるミートパイとかね。
何が入っているか分からないジュースとか。
あらゆるものが不安にさせていく。
しかも、答えを明かしてくれないから、
本当のところは分からずじまい。
こちらの気持ちはずっと宙ぶらりん。
そういう意味ではサスペンスと言ってもいいかもしれない。
考えたくないけど考えてしまう。
その状態におちいったら、
もう「ミッドサマー」の術中です。
というかね、
後半セックスというか、強姦というか、
そんなシーンがはさまるんですけど。
衆人環視の中で。
まあ、怖すぎてね。
あんなところで勃つ自信はない。
シェイプ・オブ・ウォーターと
まるで正反対の気持ちになってしまうもんだから。
見せる順番というのは大事ですね。
ミッドサマーも
またラストカットがかなり印象的。
ダニーの笑顔で終わります。
映画冒頭では、
ダニーが不幸すぎて。
彼女が笑えるハッピーエンドだといいなぁ。
と、思ってましたが・・・。
これは一度見てほしい。
恐怖や開放感など
いろんなものが入り混じった表情は
くるものがあります。
では、また!
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