【動画編集の参考本】『「ついやってしまう」体験のつくりかた』

書籍

1+1=?

この式を見てどう思いましたか?
ついつい「2」が頭に浮かんだのではないでしょうか。

誰も「計算して」と言ってないのに。

こういう、ついつい「やっちゃう」心理状態を
巧みに利用しているコンテンツがあります。

それが

TVゲーム。

ちなみに、
つい、熱中させてしまう仕掛けを
ゲームデザインと呼びます。

今回はそれについての本。

「ついやってしまう」体験のつくりかた 人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ [ 玉樹 真一郎 ]

「マリオ」や「ラスト オブ アス」など
話題になったゲームを取り上げて、
ゲームデザインをひも解いていく。

そして、
「どうやって心を動かしていたのか?」
ひもといていく内容です。

ところで、
ゲームデザインは大まかに3つに分けられます。

・直観デザイン

・驚きデザイン

・物語デザイン

実は、知らずのうちに
日常で使ってるテクニックだったりします。

それぞれ、どういうものなのか
ちょい抜粋してみましょう。

直観デザイン

私たちの脳は常に
「〇〇するのかな」という仮説を行っています。

冒頭の「1+1=?」の式を
もしかしたら「2」だろうかと考えるみたいに。

この「仮説」を刺激することが
直観デザイン。

人が「面白い」と思うパターンは

まず仮説し、

次にそれが正しいのか
試行

その仮説が当たっていたら
喜びになる。

それが「面白い」となる作品のメカニズム。

だそうです。

著書では「スーパーマリオ」が
例に出ていました。

ゲームの始まりの画面は
右を向いたマリオが、
画面の左端に配置されています。

画面のデザインが
なんとなーく「右へ進むのかな」と
想起させるのです。

そして、直観で右へ進むと、
これが正解だと分かり喜びが生まれます。

ここら辺、言われてみればナルホドと
膝をうちましたね。

人は自発的に学んだことは強烈に頭に残るそうです。
なので、最初のステージ以降も問題なく
マリオを操作していけるわけですね。

この「そうかも?」と思わせる手法は
私的に考えると、
いわゆる「前フリ」と呼ばれるものだと思ってます。

面白い話する時とか、使ってません?
もしくは、社内でプレゼンする時。アレです。

この大事な前フリは難しすぎても良くなくて、
シンプルなほうが、すっと頭に入ってきます。

最初に「難しい」と感じてしまうと、
もう、それ以降頭に入って来ないのが人だったりするので。

直観で「分かる」を作ること。
それが直観デザイン。

驚きデザイン

3つあるデザインの2つめは「驚き」

先に言ってしまうと「外し」演出のことです。

まず、仮説の段階で、
違うものを信じさせるんです。
つまり誤解させちゃうんですね。

誤解したまま試行し、

間違いに気づくと。

取り入れる理由は、
直観で分かるものを使い続けると
脳が慣れてきて飽きちゃうからです。

脳は常に新しいものを求めてますからね!

そこで、あえて「間違わせる」ことで、
「いつもと違うぞ。用心しなきゃ」と、
集中力を復活させる

お笑い芸人さんが、よくやる手のひとつです。

笑いを作るために、
何度もパターンを刷り込ませておいて・・・
違うことをする。

「ついやってしまう体験のつくりかた」では、
国民的RPG「ドラゴンクエスト」の
「ぱふぱふ」で解説されておりました。

あんな、おふざけとしか思えなかったものに、
日本海溝よりも深~い意味が隠されていたとは。

詳しくは本書を読んでほしい。
そしてSNSでドヤ顔で語ってほしい。

物語デザイン

直観デザインのものと、
驚きデザインのものを、
どういうリズムで交互に見せていくか。

それを決めるパート。

この物語デザインを構成する要素は、
翻弄、成長、意志。

翻弄というのは、
あれがそれでこれで・・・

成長と言うのは・・・

意志・・・

などという込み入った話は、
本書をお読み頂くとして。

個人的に、これは良いなと感じた著者の考え方。

ゲームは
誰も体験したことのない状況で、
今、自分が考えられることで意志決定をさせる。

そんな体験をもたらしてくれる。と。

それは、プレイヤーそれぞれに、
みずから物語を描かせるということ。

自分の物語は誰かに語りたくなってしまいます。

実現させるためには、
物語上に解釈の余地を残すこと。

私個人の本業でも、
分かってほしいから
過剰説明してるときが多々あるので。

相手の解釈に委ねる。
作り手と受け手の相互関係が良いモノを作る。

この意識は持っていかないと。
いけないなぁと思いました。

おわりに

デザインだ、
なんだとありますが、

言われてみれば、なんてことない。

普通に日常で使っていたりするものです。

しかし、その理論について
深く考えたことはなかったかもしれません。

この、理屈が分かるということは
再現がしやすくなるということ。

何か、作品を参考にしたいときも
見るべきポイントが分かるということです。

めっちゃ読みやすいのでおススメです。

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