【感想】「ウルトラQ」をさかのぼって見る!

ドラマ

これから30分、あなたの目はあなたの体を離れ、
この不思議な時間の中に入って行くのです

出典:「ウルトラQ」ナレーションより引用

空想特撮シリーズ
「ウルトラQ」

出典:円谷プロ公式HPより引用

DVD7巻から1巻へと
さかのぼって見ていこうと思います。

特に意味はない。

最近では4Kリマスター版が
NHKで放送されました。

なぜ、そんなことが可能かと言うと
35mmフィルムで撮られているからなんです。

ウルトラQが制作された1966年、
主にドラマ撮影は安価な16mmフィルムが主流でしたが、
映画撮影で使われていた高価な35mmを使っていたわけです。

気合の入れ方がスゴイ。

私はSF作品が好きなので、
このシリーズは今半のすき焼きに匹敵します。

ただ、やはり忘れていることもあるので、
気まぐれで見返すことに。

DVD7巻に収録されているのは以下の話

・第25話「悪魔ッ子」
・第26話「燃えろ栄光」
・第27話「206便消滅す」
・第28話「あけてくれ!」

では、28話から。

28話「あけてくれ!」

会社員の沢村が乗り込んでしまった、空を走る電車。
そこには、嫌なことばかりの現実を離れて
理想の世界を求める人々が集まっていた。

訳も分からず乗せられてしまった電車に
戸惑う沢村。

そんな彼が思い浮かべたのは
出征を見送る妻の顔や、
会社の部長の姿。

「帰るべき場所がある」

沢村は「あけてくれ!」と懇願するのだった。

叫ぶうちに、いつの間にか気を失っていた沢村は
現実に帰ることができたのだが。。。

妻は沢村のことをなじるばかり
部長も沢村の事をなじり続ける。

本当の姿に気づいた沢村は、
通りかかった電車に叫ぶのだ。

「のせていってくれ!」




終わり方がなんとも強烈で。
現代にも通じる悲哀を感じます。

あと、沢村の妻が国旗を振るカットは
時代を感じずにはいられませんでした。

27話「206便消滅す」

超音速旅客機・206便に乗っていた万城目と一平。
まもなく日本に到着というところで、突如206便が消失。
レーダーからも消え地上の人間からは分からなくなってしまう。

しかし、不思議なことに
雲の中からジェット音だけが聞こえてくるのだった。




「あけてくれ!」もそうですが、
突如、異次元に巻き込まれるのは
この手の定番です。

異次元にあらわれる怪獣「トドラ」や
世界大戦時の戦闘機など、
謎が深まる世界観。

ただ、一番の謎は、
万城目が飛行機を操縦できることが分かること。

万城目さんはウルトラQの主人公、
ストーリーテラーでもあります。
1話から見てたら「万能すぎ!」と
ツッコミが先に思いつきますが、
さかのぼって見ると「へぇ」ぐらいになるのが不思議。

竜巻の表現や旅客機のミニチュアなど、
今見ても色合わせない、すご味があります。

26話「燃えろ栄光」

この話の主軸は人気ボクサー、
ダイナマイト・ジョー。

連戦連勝を続ける子供たちのヒーローだ。

彼の連勝には秘密が。
それは自分の飼っているトカゲ。

ピーターと名づけたトカゲには、
彼の勝利を予言する力があったのだ。

そんな無敵のダイナマイト・ジョーが
世界戦を前に、突如失踪してしまう。。。




ピーターをトカゲって書きましたけど、
実はトカゲでなく、
水から出すと巨大化する特殊生物なんですね。

そのためか、水槽で飼ってます。

巨大化と聞くと、
映画「グレムリン」みたいに
うっかり巨大化したピーターが大暴れ!

みたいな展開を想像しますが、
話の主軸はそこではありません。

ピーターの予言から離れられなくなってしまった
ダイナマイト・ジョーの再生の物語です。

ピーターにジョーは言われてしまうのです。
「世界戦は負けるぞ」と。

逃げに逃げたジョーは、自分と向き合うことができるのか?

ラストカットがすごく印象的で。
決意の表情をするジョーの顔で終わるのです。

その前のシーンから考えると、
立ち向かう覚悟を決めた男のようでもあるし、
夢の中の世界のようでもあるし、
見た人によって印象が変わるでしょう。

25話「悪魔ッ子」

奇術師の娘リリーが事件のキーとなる話。

リリーは催眠術をかけられないと
眠ることができないほど、催眠術を拠り所にしていた。

しかし、幼い頃から催眠術をかけられ続けると、
精神と肉体が分離してしまうという。

いっぽう同時期に
深夜にかけて、自動車事故や
警備員が階段からの転落など事故が頻発。

被害者は一様に子どもの影を目撃したという。
そして、懐中電灯やおもちゃなど
金銭にならないようなものをなくしていた。

事故後リリーの手元には、
なぜか、なくなったものが集まっていくのであった。




精神と肉体が別々に活動してしまう。という、
ホラーテイストな話。

終盤、リリーの精神リリーの肉体
命を狙われることになるので、
それを防ごうと尽力する万城目たち主人公。

この図式が奇妙ですわぁ。

特撮ですごいと思ったのは
同じ人間を合成する
そんな技術が1966年にあるとは。。。

実は、このころから人間の発想力は
進化していなかったのかもしれない。

おわり

今回、デジタルリマスター版を視聴して
一番驚いたのは音。

これが、かなりクリアに聞こえる。

「羅生門」とか昔の黒澤作品は、
画はともかく音がひどくて、
何を言っているのか聞き取りづらかったのですが、
ストレスなく聞けるのは、すごいとしか言いようがない。

次回は、第6巻で。
ではまた!

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