【挑戦的な映画】「ヲタクに恋は難しい」感想

映画

今回、語りが多くなってしまったので、
さっさと紹介へ行きますよ。

こちらの映画の感想です。

ヲタクに恋は難しい 通常版 [ 高畑充希 ]

データ

公開:2020年
製作:日本

あらすじ

会社員・桃瀬成海(役:高畑充希)が転職先で出会ったのは
イケメン幼馴染、二藤宏嵩(役:山﨑賢人)。

ルックスの良い二藤は、
実は、度を越したゲームヲタク。

そして桃瀬も、マンガやコスプレ、
何よりボーイズラブを愛する腐女子であった。

ただし桃瀬は
周囲へヲタクがバレることを恐れている「隠れヲタク」
本性を隠して生きる桃瀬に
二藤がある提案をする
「同じヲタクなら普通に付き合えるのでは?」

原作は、ネット展開されていた同名のマンガ。

ヲタク同士の恋愛をコメディ調に描いている作品だ。

ちなみにコミックスにもなっています。

ヲタクに恋は難しい(1) [ ふじた ]

コミックス1巻だけ読んだのですが、
映画はおおむね1巻の話をベースにしていますね。

「ヲタク」と「オタク」

本題に入る前に「ヲタク」という呼び方ですが、
もちろん「オタク」でも意味は同じです。

よりスラングな言葉づかいとして
「ヲタク」をつかうそうです。

私の解釈をお話しますと。

ただオタクと言うと鉄道だったり、数学だったり
サメとかミカンとか、とにかーーく幅が広い。

対する「ヲタク」は、一部のサブカルチャーに限定。

ひとくちにサブカルと言っても
歌舞伎・芝居・映画と、これまたたーくさんある。

中でも「アニメ」「マンガ」「ゲーム」に
フォーカスした人たち。
それが「ヲタク」と言ったところでしょうか。

奥が深いですね。
よりディープなヲタクの世界。

いわゆる「オタク」というと
現在広く認知されているのは
「ヲタク」のほうじゃないかな。

では映画の話。

映画としては、すごく挑戦的なことを
2つやっています。

・「起」と「承」のみの物語。
・和製・ミュージカル!

では、この2つに絞って語っていきましょう。

「起」と「承」のみの物語

物語はいたってシンプル。

2人の男女が「とりあえず付き合ってみた」

それだけです。
単純明快、わかりやすい!

起承転結でいうと、
「起」と「承」のみといっても良いかも。

そのため、お話は起伏が少なく、とっても穏やか。
事件らしい事件もない!ない!!ない!!!

「物語は起承転結ないとダメじゃないの?」
思うかもしれませんが、
そんなことはありません!

「起」と「承」のみのものは、
たくさんあります。

バラエティ番組なんかは大体そうですし、
俗に「日常系」と呼ばれるアニメ・マンガ作品もそう。

しかし、映画ではそういった作品は少ない印象です。

映画には、2時間、最後まで見てもらうため、
興味を持続させる推進力として、
ミステリーや、意表をつくハプニングの数々があります。

古くは羅生門から、ターミネーターから、
最近だとプロミシング・ヤング・ウーマン。

みーんなやってます。

それがセオリーでした。

そのセオリーに真っ向から切り込んでいった作品、
「ヲタクに恋は難しい」

どれくらい穏やかかというと、
例えば!

二藤「今日うちに来なよ」
桃瀬「(やべ、今日下着何色履いていたっけ?)」

カワイイ悩みですね。
これだけで、5分くらい引っ張ります。

人によっては一笑に付すかもしれませんが、
そんなこたあ、どうだっていい!

くだらないことが大事なんだ。

この手の話で重要なのは、
「お互いの心が近づく過程」をどう描くか?

原作との違いは多々あるのですが。

監督が福田雄一さんということもあって、
コメディが強調された話になっています。

原作5割増しで入るツッコミ、解説の数々。。。
ここは賛否が分かれるかもしれません。

だだ、「起」「承」物語で求められているのは、
心の安寧。

トラブルや、ミステリーなど心がささくれ立つような
出来事は厳禁です。

川にたゆたう木の葉のように、
終始穏やかな気持ちで楽しめる映画にはなっているので、
最近、イライラしてるな~。と思っている方は、
布団にくるまりながらご覧ください。

最高の睡眠をお約束します。

和製・ミュージカル!

さて、この映画を特徴づけているものの一つに
ミュージカルがあります。

ミュージカル演出は、
「言葉にならない言葉」を伝えることだと
思っています。

言葉だけでは、セリフだけでは、
額面通りの受け取り方しかできない。。。

でも、その裏にはもっと複雑な感情があるはず。

それを歌とダイナミックな動きで
体全てを使って表現する!

そんなミュージカルですが、
邦画にはすこぶる少ない印象です。

「ヲタクに恋は難しい」は、
そこにも、果敢に挑みました!

ミュージカルは物語がシンプルなほど、
際立ちます。

本作でもめちゃくちゃ目立ってます。

先に述べたように、物語は穏やかに流れてますから、
歌と踊りがあるだけで楽しく見えます。

しかも、贅沢に1曲、1曲を長めに、
かつ大量に見せてくれます。

映画の半分以上も!

マイケル・ジャクソン「スリラー」のMVとは
真逆を行くスタイル。

「歌と踊りで楽しく」は、
ハリウッド・ミュージカルというより、
インドのポリウッドに近い感じ。

なかでも印象的なのはオープニング。

50名以上のコスプレキャストによる、
踊りは、見てて微笑ましい。

衣装、振り付けがどこか不揃いなところも、
主張の強いオタク・・・
もとい「ヲタク」っぽさが出ている。

ここは全体通して好きなところですね。
あと好きなのは、二藤が小柳さん(役:菜々緒)の
部屋に連れていかれるところ。

カメラワークもあいまって、
幻想的な感じで良いとおもいました。

ただ、惜しいのは
この2つ以外はダイナミックな動きが少ないので、
物足りなさを感じる。。。
まあ、長く感じる。

しかし、和製ミュージカルは少ないので、
次回も挑戦してほしいところ。

おわりに

ちなみにこの映画、
世間ではどんな評価を受けているか調べてみました。

映画レビューサイト
「Yahoo!映画」「映画.COM」「Filmarks」
3つのユーザーレビュー点を平均すると2.74点!!

もちろん5点満点です。

なかなかコメントに困る点数だ。

見るかどうかはお任せします。

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