【日本沈没を見る・その1】日本沈没(1973)

映画

日本沈没ですよ!!

TBSでドラマも始まったことだし、
これを機に過去の映像作品を見返そうという試み。

まずは1973年の大作映画から。

日本沈没 [ 小林桂樹 ]

データ

製作国:日本
公開:1973年

あらすじ

小笠原諸島の一部の島が突如として消失。
潜水艇で調査に向かった操縦士の小野寺と田所博士は
日本海溝に亀裂と乱泥流を発見。

それを機に日本各地で相次いで大地震と火山噴火が
起こりはじめた・・・。

調査を進めていく中で
やがて、あるひとつの恐るべき予測に到達する。

「日本が沈む」

一番のポイントは、
「生きのびる」意味が他のディザスタームービーと違い
個人ではなく、民族としての生存になっているところ。
 
 
もし、帰るべき故郷を失った時、
1億人をこえる日本人は
どこに、より所を見つければ良いのでしょうか?

海外に逃げるしかないのですが、
1億人というと100分の1でも10万人。
かなりの人数です。

1国ではまかなえず、多数の国に頭をさげます。
 
しかし、当然、日本より規模の小さい国はあります。
 
印象的なセリフ。
「500万人を受け入れてほしい」とある国に頼むと、
代表者にこう言われます。
「500万人もいれば、我が国に別の国が生まれてしまう。」
 
大きなカベとなる管理問題。

それだけではありません。
ネックになるのは、
・移送手段の確保
・移送の手つづき
・移送の期間
 
問題は山積み!
 
それらを解決するべく、
物語は総理を中心とした政府と
田所博士を中心とした科学者チームの
奮闘に焦点があてられます。
 
どうにかして「日本」を救いたい!
とは言っても、残酷な現実がつきつけられます。
 
全員は生き残れない。
 
犠牲ありきで考えなければならない辛さ。
 
やり場のない辛さを象徴するのは
総理役の丹波哲郎さんの演技
有識者から「このまま何もしない」
つまり、諦めるという選択肢を突きつけられた時。
 
ぐっと涙をこらえる表情。
 
もらい泣きしました。
 
ほかにも20代の藤岡 弘、さんや
往年の名俳優たちがたくさん出演。

全員、表情の演技は心を打ちます。
「言葉では語れない」なにか。

セリフだけだと事実を受け止めるだけに
なりがちですが、
この表現されちゃうと深く考えちゃいますね。
  
ひとつ分かったのは藤岡 弘、は青髭でもイケメン。
 
 
もう1点、この映画を語る上ではずせないのが
特撮のすさまじさ。
 
火山の噴火や関東壊滅シーンは
今も見ても圧巻。

 
ディザスタームービーおなじみのハラハラを
楽しむものではなく、
ただ悲観することしかできない
圧倒的どうしようもなさ、質量を感じます。
 
 
さて、「日本沈没」を最後まで見た感想。
 
  
海外に逃げきれた人々は、
これから文化の違いにも悩むでしょうし。
そんな中でアイデンティティは保てるのか?
 
物語はここからが始まり。
 
オールハッピーなわけではない、
これから先の苦難を感じるラストでした。
 
 
こういう、集団としての生き残り。
政府、科学者の活躍。
絶大な脅威。
 
近年だと「シン・ゴジラ」が
この映画の雰囲気は近いかな。
 

コメント

タイトルとURLをコピーしました