【映画感想】プロミシング・ヤング・ウーマン

映画

アカデミー賞をはじめとする
数々の賞を受賞した今、最も話題の映画。

「プロミシング・ヤング・ウーマン」

出典:映画「プロミシング・ヤング・ウーマン」公式Twitterより引用

今を逃すと、この熱に乗り遅れる!

ギリギリ見ることができたので。
感想をば。

まずは、ざっくりあらすじ。

医者を目指していた主人公キャシーは
とある事件によって、医大を中退。

以来、平凡なカフェ店員として働いていたが、
夜になると、いつもどこかへ出かけていた。

彼女には、外見から想像できない
裏の顔があったのだ―。

プロミシング・ヤング・ウーマン
その意味は、前途有望な若い女性。

これから明るい未来が待っている女性のことだ。

そんな彼女がなぜ道を踏み外したのか?

この作品、ひとことで言うとジェンダーバイアスに
切り込んでいった作品だ。

「女は女らしく」
「男に優遇された社会」

そういったものを浮き彫りにしている。

主人公キャシーを変えたある事件・・・
それは、デートレイプ。

手口は簡単だ。
女性をしこたま酔わせて前後不覚にさせ襲う。

彼女の友人がデートレイプされ、
それを苦に自殺。

キャシーはそれ以来、
夜な夜なバーに出かけては、
酔ったフリをして男を誘いだし、
襲い掛かってきた男を叩きのめす。

天誅を下していたわけである。

そんな中、キャシーの友人の自殺に繋がった、
全ての元凶である男が結婚することを知ってしまう。。。

このデートレイプが抱える問題は、
単純に男が悪いだけでなく、

酔ったヤツが悪い。
女にも責任がある。

こんな言葉が同じ女性からも出る。

そういった社会に反旗を翻す痛快復讐劇!
それがこの映画だ。

「プロミシング・ヤング・ウーマン」は
ネタバレへの注意喚起がありまして。

これ以上、話に深く突っ込んだことは言えないのが
残念です。

見た人がいたら語りたい。語りたくて仕方がない。

スカッとさせてくれることは間違いないので。
旬なうちに見ることを強くおススメします。

ところでこの作品、
先に語った内容だけれど、
実は劇中で説明されない。

いや、説明はしてるのだが、
その仕方が匠で。

過去回想はまったくなく。
昨今のトレンドである、
セリフで懇切丁寧に説明するわけでもない。

物語が進んでいくと同時に
小出しにされていく情報のピースを繋ぎ合わせて、
観客にも徐々に輪郭が分かる仕組みだ。

すごく映画らしい、映画にしかできない表現。

ちょっと2点ほど気に入った点。

1つは、画面の明るさ。

キャシーの感情に合わせて明るく作られていたり、
暗く作られていたりする。

前半は淀んだ感情を表すかのように暗く。
中盤、本来の明るさを取り戻すと画面が明るく。
そして天誅の間はカラフルに彩られる。

2つめは、空白の作り方。

必ずしも登場人物を画面の中心にすえて撮らない。

大体、右や左、あるいは頭上を
大きくあけて空間を作っている。

これは、この空間・・・空白を作ることで、
観客に想像を促すからだ。

人物の前を大きくあければ、真実を語っている。
後ろを大きくあければ、後ろめたいことがある。
そして、人物の頭上が大きくあけば、
「何を考えているのか」勘ぐってしまう。

想像したくなることは熱中してること。なので。
結構、これが多用されていることから、
ついついキャシーの心情を推し量ってしまう。

この2点以外にもあるのですが、
ネタバレにも踏み込むので、
この辺りにしておきましょう。

では、また!

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