【読書感想】『令和その他のレイワ…以下略』

書籍

令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法

令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法 (集英社文芸単行本)
著者:新川 帆立

内容

通称:令和反逆六法――
六つのレイワ、六つの架空法律で、現行法と現実世界にサイドキック!

「命権擁護」の時代を揺さぶる被告・ボノボの性行動、
「自家醸造」の強要が助長する家父長制と女たちの秘密、
「労働コンプライアンス」の眩しい正義に潜む闇……。
痛烈で愉快で洗練された、仕掛けだらけのリーガルSF短篇集。

収録短編
◇第一話 動物裁判
◇第二話 自家醸造の女
◇第三話 シレーナの大冒険
◇第四話 健康なまま死んでくれ
◇第五話 最後のYUKICHI
◇第六話 接待麻雀士

出典:集英社 文芸ステーション より引用

かみそうなタイトルだけど。
ここ最近読んだ小説の中では1番面白い。

6つのパラレル「レイワ」もさることながら、
「YUKICHI狩り」など、パワーワードたちが頭から離れなくなる。
 
 
裁判所に出廷できるのは人間だけか?
否、生きとし生けるものすべては権利を主張できるはず。
 
「現金」が忌み嫌われるようになると、どうなるか?
ギャングと農家が密会をはじめる。
 
自宅で酒を造るのが普通になったら、どうなるのか?
市販のお酒は「出来合いの酒」になる。
まるでコンビニ弁当のような扱いだ。
・・・弁当はダメじゃないぞ!
 
 
なんやかんやで全ての新法設立に
アメリカが絡んでるのは・・・。
トータルで隷和時代だったのかもね。
 
語の根幹にあるのが、ルールの存在。
分かりやすい「法律」から、
マナー、モラル、という暗黙のものまで。
ルールに翻弄される人々が迎える結末。
これがね、余韻があっていいんですよ。この手の話は大好物。
「健康なまま死んでくれ」とか、皮肉がきいてて最高。
 
ルールって、
本来、揉める時間がもったいないから、
生まれたもののはずだ。
 
考える時間をショートカットするためのシステムが、
考えの根幹になってしまっている。
そんな現代社会とリンクする部分もあり、
「こんな法律ありえないだろ(笑)」と思えない。。。

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