誰かがいるだけで心強い―
そういう経験はないだろうか。
なぜだか知らないけれど、
何かしてもらうわけではないけれど、
1人より伸び伸びやれる。
そんな人たちの話を集めたのが
この本だ。
読んであらためて感じたのが
人は1人では生きにくい動物なんだということ。
この本は、
著者が始めた謎のサービス、
「レンタルなんもしない人」
その体験談をまとめています。
サービス内容は、
報酬をいっさい貰わず、
ただただ、誰かに寄り添うだけ。
文字通りそばにいるだけで、
著者は一切何にもしません。
「何もしなさ」っぷりは読んで頂ければ分かります。
掃除代行とか
そういった類ではないわけです。
頂くのは、交通費と食事代などの経費のみ!
ツイッター上の呼びかけから始まった
この謎のサービス。
意外にも利用者が多く、
依頼内容は
・ライブ・スポーツなど、イベントへの同行
・行列待ちの代行
・依頼者が行うパフォーマンス(演奏やスポーツなど)の応援
これらの「分かる」「あるある」と言えるものから
・全力でブランコを漕ぐ様子を見守る
・90分間の焼肉食べ放題を見守る
・引っ越しの見送り
などなど、
あけすけに言えば「1人でも良いじゃん?」
と突っ込んでしまいたくなるような依頼まで
本当に多岐に渡っておりました。
「どーでも良い」と一蹴してしまうことは簡単ですが、
「どーでも良い」からこそ、1人ではやりにくい。
これを知れただけで読んだ価値はあったかも。
余談ですが、類似サービス(?)に
「プロ奢ラレヤー」なる
もっとディープな世界があるらしいです。
こんな話を聞いたことがあります。
子供の自立に関することです。
見守ってくれる親の存在があるから、
子供はいろんなことに挑戦できるのだと。
その時、親は口を出さずとも、寄り添うだけで
子供は自分の考えに自身が持てるようになる。
…らしいです。
実は半信半疑でしたが、これは本当のことだったのかも。
「自由に伸び伸び」と生きるためには
見守ってくれる誰かの存在が大事なのかもしれません。
最後にひとつだけ。
本当に本当の余談です。
この本はツイッター上のやり取りを再現した文体のため
慣れてない人にはめちゃくちゃ読みにくい。
ただこれは味のひとつなので、
好みが分かれるポイントだと思いました。
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