この画像の中から「アート」作品はどれでしょう。
アートとアートでない作品の線引きはどこでしょう。
どうやら、
多くの人が3と4の間で線引きするそうです。
では、その答えとは?
それはこの本の中に
正確には、答えの見つけ方が書いてあると言ったほうが良いかも。
「13歳からのアート思考」っていうと、
大人が読めるものなのか、読んでいいものなのか。
タイトルからくるイメージに戸惑いますが、
そんなことはないです。
むしろ、大人が最優先で学びなおすべき教科が
「美術」であると巻頭に作者自身が書いています。
じゃあ、タイトルの13歳?とは何事か―――
多くの人が美術に苦手意識を持っているみたいです。
でも、すっごく幼かった頃は好き嫌いで考えていなかったはず。
何はなくともクレヨンを握り
ひとたび握れば勝手に手が動いて
ところかまわず描きまくっていた時代。
体中を駆け巡るアドレナリンは
指先から溢れだし、画用紙を飛び越え
ふすまや、床に自分なりのイメージで埋め尽くそうとしていた。
そして、怒られて現実に帰ってくる――と。
ここまでワンセットでそんな経験したことないですか?
私はあります。
ただいつからか、苦手になる。
明確に分岐点が存在するとか。
下のグラフをご覧ください。
小学生と中学生の好きな教科についての割合です。
出典:小学生白書Web版 2017年8月調査 「小学生の日常生活・学習に関する調査」より
出典:中学生白書Web版 2017年8月調査 「中学生の日常生活・学習に関する調査」より
一番人気の「算数・数学」は28.1%から約21.5%へ約7%程度しか
変化がないですが、
「図工」から「美術」に移り変わる時に
12.9%から5.2%と好きな子が半分以下に減っています。
13歳に何があったのか?
これに対し著者の末永氏は
「絵をかく」
「ものをつくる」
「アート作品の歴史を得る」
といった「知識・技術」偏重型の授業スタイルが
苦手意識の元凶ではないか。と睨んでいます。
「え?!美術ってそういうもんじゃないの?」
私もそう思っていましたが、
それはどうやら違うようです。
「自分だけのものの見方」で
「自分なりの答え」を見出し
「新しい問いを作る」ことが
美術…いわゆるアートの真骨頂ということ。
この本はピカソを初めとする5人のアーティスト達が
どんな自分なりの答えを!リアルを!!
どう追求していったのかを紐解き
アート思考を学ぶことができる一冊です。
お気づきの通り、
この本を読んでも劇的に絵がうまくなるとか、
そんな本ではありません。
アーティストのものの考え方を参考に、
自分なりの「ものの見方」答えを探せるようになる本です。
アート思考は最近ビジネスの間でも注目されているそうですね。
ネットが普及して答えらしきものが
簡単に手に入れられる時代になりましたが
意外と世の中、答えがあることの方が少ないです。
人の意見をそのまま自分の意見と勘違いして
思い込んでしまうこと――あります!!!
そんな思い込みをぶち壊し
新しい発見ができる。
これだけのことがわずか315ページで体験できる良い本です。
しかも著者が中高生の教師だけあって読みやすい。
たまには、こんな本を読んでみるのも面白い。
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