【2021年ベスト映画】MONOS 猿と呼ばれし者たち

映画

2021年も終えようとしている中、
個人的に今年のベスト映画に
滑り込みランクインした作品の感想です。

それがコチラ!

「MONOS 猿と呼ばれし者たち」

出典:MONOS 猿と呼ばれし者たち 公式HPより引用

データ

公開:2019年(日本では2021年)
製作国:コロンビア、オランダ、アルゼンチン、
ドイツ、スウェーデン

あらすじ

世界のどこか―。
場所も分からない山岳地帯で暮らす8人の少年少女。
ゲリラ組織の一員である彼らのコードネームは「モノス(猿)」
その任務は人質であるアメリカ人女性の監視だ。
 
ある日、組織から預かった乳牛を仲間の一人が誤って
撃ち殺したことをきっかけに不和が生じて・・・
 
そんな中、敵からの襲撃を受けた彼らは、
ジャングルの奥地へと身を隠すことに。
仲間の裏切り、人質の逃走、次々と襲い来る
極限の状況下で、モノスたちは次第に狂い始める。

「コレクティブ 国家の嘘」を見に行った時に、
予告編が流れていて、
その時から、気になって気になって仕方がなかったのですが、
やっとこさ見ることができました。
 
 
コロンビア内戦を下敷きに描いているとのことで、
重苦しいドキュメンタリータッチな映画かと思いきや、
意外や意外、しっかりエンターテイメントしています。
 
良い意味で予想を超えた1本。
 
R指定ついている割には、グロシーンは少なめ。
牛の解体ぐらいかな。
 
 
作品内で多くは語られません。
いや、語ってはいるんだけれども、
映画的表現で語るので、
セリフでダラダラしゃべるってことはないです。

時も場所も説明ないので、
本当に「世界のどこか」としか言いようのない場所。
そこが物語の舞台となります。
 
当事者にしか問題意識のない、
安全圏内にいる我々は気にも留めない場所ということです。
 
それは明確に暗示されてますね。
冒頭全員が目隠しでスポーツしている場で。
つまり「見ざる」ってことなんでしょう。
 
 
この映画、映像へのこだわりが半端ない。
「映像で伝える」技術もさることながら、
圧倒的に映像美が素晴らしい。
雲海を目前に置いたカットとか、
「うわぁ」と思わずため息。
 
1カット1カットが美しいので、
凄惨さとのギャップも際立ちます。
 
そして、耳に残る音楽。
まるでゴリラのドラミングのような、
威嚇ともとれる音楽。
 
宴のシーンとか、
印象的に残る場面で使われています。

美しいんだけれども、
どこか不安を掻き立てるこの曲は
映画館の音響で聞かないと、
魅力は半減するかも。
 
 

では、そろそろ映画のみどころ。
やっぱり後半!
敵に襲われて、やむ無く密林へと潜むことになるんですが、
そこからモノスの面々が明らかに変わっていきます。
 
体に泥を塗り、森に潜みやすくし、
言語を介さずに「会話」をしだし・・・。
いや、本当に。
後半からセリフの量がガッツリ減ります。

どんどん「動物」的野生に近づいていく―。

いやあ、緊迫感がガンガン上がっていきますよ!
  
 
そしてラストカット!
映画でしかできない手法で、
我々に投げかけるメッセージ。

「殺人の追憶」という映画を思い出しました。
 
 
気になるところ、語りたいところは
まだまだあります。
例えば、途中に出てくる「あの子どもたち」は
その後、どうなっていくんだろうとか。

ですが、あんまり語りすぎてもよくないので。
ここまでにしておきます。
 
 
最後に!
「どうすればいい? 指示をこう!」

MONOSを見れば意味は分かるでしょう。

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