主演の子のキラキラ具合にクラっときちゃう映画の話。
あと、サソリ座の女と聞くと日本人は別の人を想像してしまうのだ。
セールス・ガールの考現学
データ
公開:2023年(日本公開)
製作国:モンゴル
監督:ジャンチブドルジ・センゲドルジ
あらすじ
原子力工学を学ぶ大学生のサロールは、怪我をしたクラスメイトから、
彼女が働けない間の代理としてアダルトグッズ・ショップのアルバイトの話を持ち掛けられる。
とくべつ仲の良い友だちではなかったが、
高給なうえに簡単な仕事だと説かれ、一ヶ月だけ働くことに。そこは、大人のオモチャが所狭しと並ぶ、街角のビルの半地下にある怪しげなショップ。
出典:『セールス・ガールの考現学』公式サイトより引用
友達へのプレゼントにとグッズを吟味する女性や、友人同士で訪れる客、
人目を気にしながら一人で来店する客もいれば、グッズのデリバリーを頼むお客も少なくない。
ショップのオーナーはカティアという、高級フラットに独りで暮らす謎多き女性。
彼女のもとに、一日の終わりに売上金を届けに通ううち、二人の間に不思議な友情が芽生えていく。
カティアはどうやら昔はバレリーナとして有名だったらしく、
人生の苦難や試練を数多く乗り越えてきたようで、サロールを色々な所へ連れ出していく。
ショップのお客やカティアと交流する中で、
しだいに自分らしく生きていく道を考えるようになるサロールだが、
あるお客とのトラブルでカティアに不信感を抱き…。
モンゴル映画の鑑賞はお初です。
教科書でしか知らなかったから、
遊牧民のイメージでした。
まあ考えたら、
ほんと偏見でしたね。
食卓にピロシキが並ぶんですけど、
モンゴルでもピロシキを食べるのか。
そう思ってたら、歴史的にロシアとの繋がりがあったらしい。
食卓に並ぶのが、
コニャックだったり、ボルシチだったり。
本当に無知でした。
こういうの見ると、映画における食卓のシーンには
社会の縮図みたいなものが詰まってると、そう思うんです。
そして、なんといっても主人公サロールを演じるバヤルツェツェグさんが、
キラキラしてて、超カワイイ!
物語の進行にあわせてサロールがオシャレになっていくんですが、
終盤は別人か!ってくらいに、印象変わると思います。
衣装も、最初の野暮ったい衣装から、
ドレスへと変わっていくしね。
で、このサロールに目を奪われてると、
いつの間にか街も変わっているんですよ。
途中から気づいたんですけど、
背景が序盤の暗ーいアンダーグランドから、
明るく賑やかな色味になってる。
例えば、草原とかは、
中盤で遊牧民と市民の境目な使われ方してたけど、
終盤の草原は整備された公園になってたり。
調べてみると、モンゴルは90年から
社会主義をやめ、民主主義へと方針転換をしたらしい。
映画の中でも、社会主義を知るカティアと
現代を生きるサロールとの対比・・・、
まあ、対比というより境界線かな。
それが、描かれていた気がする。
そして、最後にカティアは「あるもの」をサロールに託している。
そう考えるとモンゴルの歴史が移り変わっていく過程が
ギュッと120分に凝縮されたような気にもなる。
あと変わったところでいくと、
幕間に挟まる謎の歌演出。
珍しくて好きなんだけど、
ただこれ以外の音楽の使い方が
性急すぎな気がしたわけで。
もうちょっと、ゆったり堪能したかったなぁと思わんでもない。
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