“あまーい映画”『あなたがここにいてほしい』感想

映画

おのれリア充!となる
“あまーい”ラブストーリーの話。

あなたがここにいてほしい

出典:映画『あなたがここにいてほしい』公式サイトより引用

データ

公開:2022年
製作国:中国
監督:シャー・モー

あらすじ

白蒲高校に通うリュー・チンヤンは校内で出会ったリン・イーヤオに
一目ぼれをしてしまう。
なんとか彼女にラブレターを渡すが、
それを生活指導担当のヤオ先生にみつかってしまう。
頭を丸めて校内放送にて謝罪すれば見逃してやるという学校に対し、
リューはその場を利用して彼女に愛を告白し退学となる(1日目)。
 
いつしか一緒に住むマンション購入を夢見ながら生活を送るが、
しのびよる現実にあらがえずに次第に空回りをするようになる。
そんな中、リュー・チンヤンは学生時代からの友人である
ダーチャオからの頼みで、大きなプロジェクトを仕切ることになり、
かつての現場仲間を呼び寄せるが……

出典:映画『あなたがここにいてほしい』公式サイトより引用

冒頭10年後の話からスタート。
たまたま最近見てた作品がそうなんだけど、
時系列バラバラ演出が続くなぁ。
と、余談でした。
 
 
どうやら、実話を基にしたフィクションらしいですよ。
どこまで、フィクション的な肉付けをしてるのか
気になるところですが。まあいいや。
 
 
物語の前半は、
いちゃいちゃラブストーリー。 
 
やんちゃな男子高校生と
清廉潔白な女子高校生の組み合わせは、
わりと日本のサブカルチャーじゃお馴染みでは
なかろうか。
 
主役の二人だけでなく、嫌みな教師とかさ、
二人の関係を良く思わない親とか、
日本のマンガあるあるな
登場人物が出てくるわけですよ。
 
教師とか、
いくら恋愛禁止だからって、
他人のラブレターぶんどって
校内放送で謝罪させるとか、
「ホントか?ホントにそんなことするのか?」って
まず思うよね。
めちゃくちゃマンガ的な「悪」
 
はっきり言ってしまえば、
主役のリューとリンを正当化するためだけに、
作られた「悪」という感じがする。
 
 
それで、このイチャラブパートが、
全体的に、なんというか。。。
TBS 火曜夜10時枠のドラマっぽい。
 
悪いヤツがほとんど出てこないし、
二人のやることなすことが全て上手くいく。
 
例えば、
お母さんに交際を止められた!
じゃあ、二人で一緒に暮らすか。って
アパートを借りるんですよ。
 
親の援助なしに暮らすのって、
相当な苦労があるはずなんですけど、
苦労する描写がない。 
 
リューのほうは、
建設業の現場監督に若くしてなっちゃうとか。
成功しかしないわけ。
生ぬるいものになっていて、
正直、この調子がずっと続くと飽きるなぁと
思ってたわけです。
 
 
 
ところが、後半から
急に、現実味を帯びてくる。
 
生活資金、という大きな問題が
強く前面に出てくるのだ。
 
そこから、事故、仲間の裏切り、などなど不幸が連続し、
リューとリンが互いにすれ違いはじめる。
 
 
前半の脈絡のなさと
ふわふわした感じはなんだったんだ?
ってくらい変わっていく。
 
見た人なら分かるかもしれないけれど、
おそらく、ある意味で“夢みたい”な
生活が前半だったんだろうなぁ。
 
 
そこから、仲間に騙され借金して、
その借金を返すために、
とある決断を迫られるリュー。
そんなリューに寄り添いきれないリン。
 
すれ違いが大きくなった二人の行く末は・・・。
 
 
個人的に好きなのは、
前半と後半で同じセリフが出てくるんですが、
重みがまるで変わるところ。
 
こういう系の演出は好きなんでね。
良いなぁと思いました。
 
 
そのほか、駅の待合所でのリューとリンとか。
あの、夢と現のはざまみたいな雰囲気も
良かったです。
 
 
 
だけど、やっぱり全体的に、
すごいマンガっぽい。
映画で近いものだと、
「恋空」っぽい。
 
「恋空」も実話を基にした
フィクションでしたしね。
 
ただ、明らかに低予算で作ってた「恋空」より、
画のシチュエーションに金かけて撮ってる気はします。
 
1カット1カット、
「凝ってるなぁ。」と思うところは
たくさんあります。
けれど、1シーンとして繋がりで見ると、
「なんか変」だと感じちゃう。
 
たぶん瞬間瞬間の、カッコいいを追求して
作ってるからなんじゃないか。
そんなこと思っちゃいました。
 
 
というわけで、
「あなたがここにいてほしい」でした。
 
はじめて劇場で中国映画を見たんですけど、
「上映許可書」的なマークが最初に出るんですね。
これには、へぇでした。

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