最初のワーナー・ブラザーズのロゴから、
こんなに気合入った映画は、
久々じゃないでしょうか。って映画の話。
エルヴィス
↓こちらの映画の話です↓
映画『エルヴィス』オフィシャルサイト (warnerbros.co.jp)
データ
公開:2022年
製作国:アメリカ
監督:バズ・ラーマン
あらすじ
“ロック”を生んだ伝説の男、
エルヴィス・プレスリー。
人種差別が色濃く残る時代に、
黒人カルチャー「R&B」を取り入れた
パフォーマンスは
瞬く間に若者を熱狂の渦へ。
いっぽうで、そのプレイスタイルは
中傷の的となり、
プレスリーは好きな音楽を
演奏できなくなってしまう・・・。
42歳でこの世を去った、
プレスリーの半生と死の真相を描く
エンタテイメント!
世界で最も売れたソロアーティスト。
エルヴィス・プレスリー。
その功績から、
キング・オブ・ロックンロールと
称されることも。
でも、その成功の裏には、
敏腕マネージャー、
トム・パーカーの姿があった。
本編見て思ったのは、
予告編から想像したより、
トム・パーカーが強く絡んでくるところ。
というか、そもそも、
トム・パーカーが過去を振り返る話として
始まるのだ。
序盤のシーケンスは、
なかなかのカオス。
エルヴィスと音楽が出会う少年期。
エルヴィスとトムが出会う青年期。
エルヴィスとトムの間に亀裂が入った現在。
3つの異なる時代の話が
カットバックしながら語られる。
ここの編集テンポがめちゃくちゃ速いし、
めまぐるしく時代が
いったりきたりするので、
もう、どこのなんの話か
観てる側は迷子になるわけ。
あまりの情報量に、
頭がグワングワンいわしてるところ。
絶妙のタイミングで、
こんなトムのセリフが差し込まれる。
「ショーを成功させるコツは、
観客を楽しんで良いのか
分からない状態に置く」
そして、エルヴィスのセリフ
「出口がどこだか迷子になった」
確か、こんな感じのセリフだった。
かな~り分かりやすく
状況を説明するセリフだ。
めちゃくちゃ言い訳じみた
説明にも聞こえるけれど、
いわんとしていることは分かる。
そして、ごちゃまぜにしているのは、
時系列だけじゃない。
実際にエルヴィスが活躍した当時の映像、
ライブに来てる観客とかね。
と、映画で撮ったフィクションの映像が
モンタージュされてる。
いや、モンタージュされまくっている!
リアルとフィクションが、
組み合わさった、
この不思議な編集が多用されるのも
この映画のポイント。
これで、全てかと思いきや、
使われる音楽も、
エルヴィスの曲をサンプリングした
ラップとか入ってくるんですね。
耳から入ってくる映像も、
カオスに。
さらに、ダメ押し。
この「エルヴィス」という映画の中でも、
序盤と終盤がリンクしていたりする。
とにかく、どの要素を切り取っても、
カオスな映画という印象。
ここまで、カオスになってくると、
気になるエルヴィスを
死に追い詰めてしまった人間って、
実は、明確に誰と言えないんじゃないか。
そんな暗喩に思えてくるわけです。
そんでもって、
この映画、はっきり不満もあります。
それは、あんまりエルヴィスの歌を
聞かせてくれないんですね。
「これ、あの曲だ!」って気づく前に、
次から次へと演奏が変わるんですよ。
「Can’t Help Falling In Love」とか
もうちょっと聞きたかった。。。
聞かせてくれないと言えば、
エルヴィスの歌声・・・、
というか、
演じたオースティン・バトラーさんの歌声が
意図的に小さくされてたような。
もう、歌ってるか、
かろうじて分かるレベル。
ホント、歌のシーンは、
なんだこれ、映画「BECK」か?と
思ってました。
めちゃくちゃフラストレーションが
たまってたんですけど、
最後の最後で・・・。
なるほど!これがしたかったから、
歌声を隠してたわけね。ってなります。
ちょっと、溜まってたストレスもあって、
感動した。
最後の選曲もニクイよね~。
とはいえ、やっぱり
「ボヘミアン・ラプソディ」までは
いかなくとも。
もうちょっと曲を聞きたかった。
もうひとつ不満があります。
セリフのあるシーンでしか
物語が進行しないんです。
ほぼ、喋りっぱなし。
なんというか
言葉の意味を咀嚼する間が、
あんまりないんですよね。
現代的といえば、現代的。
情報の波だけがやってきて、
鑑賞に浸れないというのかな。
だから、少々感情移入しづらいんですよね。
以上、「エルヴィス」の感想でした。
たぶん、PCとかTV見るには、
なかなか、辛い作風だと思うので、
今、映画館で観たほうが
お得な作品だと思います。
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