ゴジラ好きの映画感想 ❝ゴジラ-1.0❞

太平洋戦争終結後。
焦土と化し、何もかもを失った日本に、
追い打ちをかけるかのごとく、ゴジラが出現する。
この脅威に抗う術はあるのか?

ゴジラ-1.0

データ
公開:2023年11月(日本公開)
製作国:日本
監督:山崎貴

【予告】映画『ゴジラ-1.0』《2023年11月3日劇場公開》

出典:映画『ゴジラ-1.0』公式サイトより

 

戦後、本当に復興できるのか、否か。
見えない不安の象徴として❝彼❞が君臨している。

追い詰められて、
どうせ無駄だって、やけっぱちになると生まれる、
何もかも壊したくなるマイナス衝動。
それを担うのがゴジラ。
 
 
あらすじ含めて、
公式がネタバレに慎重になってるので、
あんまり、語れることもないけれど。。。
 
 
映画の顔ともいうべき、ゴジラのシーンは、遊園地のアトラクションみたいで楽しい。
トレイラーにもあるような、
水上シーンと、銀座のシーンは息をのむ。
熊でもなんでもそうだけど、「すぐ目の前にいる」というのが、
いかに恐ろしいか。
 
そして、ゴジラファンなら、
どのシリーズを参考にしたのか一目瞭然なオマージュショットもあります!
 
 
過去を参考にしつつ、
これまでのゴジラシリーズと
大きく変えたなってポイントが1つあって。
それは、『人類側に罪悪感がない』
 
これまで、シリーズでは、
・水素爆弾によって、住処を奪われた生物
・放射能による突然変異
・戦没者の亡霊
・原子爆弾投下により、地表に誘われてきた
・造られた命
ゴジラ誕生の経緯に、さまざまな人の業が関係してきた。
そして、「今後、私たちはどうすればいいのか?」
疑問を投げかけるグレーな終わり方だった。
 
今作はその要素はない。
ここは、かなり大きな変更点。
どのシリーズとも違う後味で、劇場をあとにすると思う。
 
 
ちなみに、Dolby AtmosとIMAXで鑑賞したけれど、
映画として楽しむなら、Dolby Atmosのほうが、
色の深みと、音圧は断然いい!
あとは、SCREEN Xと4DXで見られれば満足です。
 
 
個人的にイマイチだと思った点は、
あんまり、余白がないなと。
 
余白ってどういうことかというと、
例えばセリフにかんして。
しゃべってないシーンないんじゃないかってくらい、
しゃべり通しなため、パニック映画のジョーズのように、
何か来そうだな。って、感じる瞬間が。
つまり、ゴジラ登場までの「来るぞ来るぞ」って期待感が物足りない。
 
これは、人物像でもそうで、
「今画面に映ってるこいつは、どんな人間なんだろう」って
考える余白がないので。
あんまり、人物に集中できなかった。
 
あと、しゃべり通しな内容にもかかわらず、
各人物に人間味もあんまり感じなかったかなぁ。
というのも、台本喋ってるな。って気になっちゃうくらい、
演技が大仰であるのと、同じ説明を何度もする。
説明を何度かするなら、言葉とかテンポ変えればいいのに、
同じことを繰り返すもんだから、聞いててつらくなってくる。
特に漁船のあの4人。
彼らが出るシーンは、ほんとうに役割ってだけのキャラに感じちゃって。
なんか…ねえ。
 
 
そして、ゴジラのシーン。
全身が映ってるショットやウエストショットは、すごくゲームっぽい。
ゲームだったらすごいんだけど、
映画だったら、ちょっとしょっぱい絵面だなと、思っちゃいました。
 
最後にコレだけ!放射能の扱い。
はっきり「放射能やばい」って描写があるのに、
それを、深く物語にからめるわけでもなく、割とあっさり、流される。
 
 
いろいろ、書いたけれど、ここにあげた特徴って、
近年、売れる作品の特徴なんだと思う。
面白いかどうかは別にして。

エンタメの基本は、ストレスからの解放かと思っていた。
逆境でのピンチの連続が積みあがっていき、
それが最後に解放される、爽快感。
ホラーであれば、いつくるか、どこからくるか。
分からないように、不安をあおってあおって、最後にモンスターが登場!
恐怖と同時に味わう、解放感!
 
 
だけど、 最近は、いかに観客にストレスをあたえないか、が
注目されているんだと思う。
・聞き逃した人のために、同じ説明を繰り返す。
・主人公は悩まない。悩む必要がないくらい、強いか賢い。
・突然驚かすのは、よくないので、溜めのシーンはなるべく作らない。などなど。
 
TVでは、その流れが来てると思ってたけど、
とうとう映画まで同じ作りになってきたかと思うと。
ちょっと寂しい。

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