コンビニの入店音
ネトフリのロゴ
電気自動車に意図的につけられたエンジン音
音で、それだと分かるようにした仕掛けの数々。
そんな“サウンドデザイン”って何?に
答えてくれる1冊の話。
SENSE インターネットの世界は「感覚」に働きかける
聴覚は受動的な感覚で、
上手く使えば無意識に行動を促せるんだそう。
道を歩いていて、
救急車の音が聞こえたとする。
救急車の音を聞きたいと
思っていたわけではないのに、
情報として耳に入ってくる。
聴覚には注意を払っていなくても
割り込める特性があるわけ。
音に左右されるといえば、
恵比寿駅にで「第三の男」が流れると、
個人的に、ちょっと早足になる。
現代は、誰もがモノを欲しなくなってきている。
先進国の消費者は商品への執着をなくしているそうだ。
物が売れない3つの要素として
考えられているのは、
「意欲できない」→買う意欲がおきない。
「選択できない」→質の良いモノがありふれているので選べない。
「理解できない」→オーバースペックな商品の品質は分からない。
わざわざ買わなくても、
あるものでいいじゃん。ってこと。
そこで、とられた戦略がある。
買うことに悩む負担を減らし、意志決定をさせない。
受け身にさせちゃうのだ。
その戦略をとっている会社のひとつが「NETFLIX」
・コンテンツを吟味することを免除
・利用を開始するタイミングを免除
・買うかどうかを都度悩むことを免除
いつでも、定額で見られることで、
消費者の負担を減らしていたのだ。
ただ、たくさんのコンテンツが
ありすぎるがゆえに選べない。
という問題だけは、解消せず。
その対策として、オリジナル作品の登場がある。
「これだけ見ておけば大丈夫ですよ」と
言っている。
そして、新作を無料で読めるマンガサービス。
旧作が無料になるのが普通だと思われるけれど、
その逆をついたサービス。
これにより、ファンが新規に推しやすくなった!
いっぽうで、コンテンツが好きな消費者にしか広がりにくい。
そんなネガティブな部分もある。
しかし、NETFLIXも新作無料サービスも、
企業側の意思。
「コンテンツを消費させようとしている」
メディアの限界が垣間見えている。
企業側の視点ではなく、
消費者側の視点にたつと、
今の時代、ラジオもネットもテレビも
みーんな、スマホ一本で楽しめちゃう時代。
裏を返せば、ラジオとテレビといった、
畑が違うと思われていたものが
おんなじライバルになったのである。
消費者の時間の奪い合いだ。
そんな中で、注目したいのが“音”。
先に書いたように、聴覚情報の利点は
ほとんど意識させずに人を巻き込む特性がある。
例えば、ブランドイメージの定着。
NETFLIXの「ブブーン」という音は
もう、だいぶ浸透していて、
逆にあれがないと、さみしくなっちゃうんじゃないか。
ファストフード店などの、
回転率を重視する店では、
テンポの速い曲を流している。
そうすると、客の滞在時間が短くなり、
逆にテンポの遅い曲では、
滞在時間が長くなるそうだ。
こちらは、スーパーなどで使われている。
TVゲーム。動作の1つ1つに効果音がついて
何をしているか分かりやすくなっている。
本書では、盲目でも格闘ゲームを楽しんでいる人が
のっている。
事細かに音をつけているからできること。
音声は、生活に密着していて、
親近感を抱かせるのに群をぬいている。
そんな、音を上手く生かした
複合メディアの誕生が待ち望まれているのかもしれない。
カーナビからラジオドラマ。
さまざまな、サウンドデザインの基本が
ギュッと詰まっている。
ラジオドラマは、回想を使うな!とか、
ナビは繰り返し言うべし!とか、
商品名は音で決める!とか
今まで気に留めてなかったことが、
めちゃくちゃ気になる!
読んでて楽しい1冊でした。
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