“スタイリッシュ石積み”『塞王の楯』 感想

書籍

スタイリッシュ石積みアクションの話。

塞王の楯

塞王の楯 [ 今村 翔吾 ]

あらすじ

 幼い頃、落城によって家族を喪った石工の匡介。
彼は「絶対に破られない石垣」を造れば、
世から戦を無くせると考えていた。
 一方、戦で父を喪った鉄砲職人の彦九郎は
「どんな城も落とす砲」で人を殺し、
その恐怖を天下に知らしめれば、
戦をする者はいなくなると考えていた。
 
 秀吉が死に、戦乱の気配が近づく中、
琵琶湖畔にある大津城の城主・京極高次は、
匡介に石垣造りを頼む。
 攻め手の石田三成は、彦九郎に鉄砲作りを依頼した。
 
大軍に囲まれ絶対絶命の大津城を舞台に、
信念をかけた職人の対決が幕を開ける。

出典:「塞王の楯」帯より引用

石垣職人というのを舐めてた。

戦国の歴史の中でも「地味」という
印象を持っていたんですけど、
そんなことはなかった。

 
あの石の積み方ひとつひとつに
計略が凝縮されているのだ。
 
 
基本中の基本が「野面積み」
 
石を加工しないで積む方法で
石と石の間にすき間が空くのが特徴。
“遊び”があったほうが、
砲弾がきたときも、衝撃を緩和でき、
かえって頑強になる。
 
という積み方。
 
いっぽうで、
すき間なく積む石垣も存在します。
ただそれは、見栄えが良いだけで、
衝撃に弱いんだとか。
 
しかし、そんな見せかけの石垣が
大活躍するのが、
中盤の伏見城での戦い。
 
ちょっとここでの使い方は
背中がゾワゾワした。
 
 
石垣ひとつとっても
作る場所、用途によって
数多くの積み方があるんだなぁと。
知らないことが多いですね。
 
 
そして、この石垣を
より際立たせてくれるのが、ライバルの存在。
鉄砲職人の彦九郎である。
 
鉄砲の台頭によって
戦乱の世は石垣の重要性がはるかに増した。
 
石垣が楯ならば、鉄砲は矛。
 
 
石垣づくりの名家・穴太衆の匡介と
鉄砲づくりの名家・国友衆の彦九郎。
 
最強の矛と楯がぶつかり合う。
って、ワクワクするシチュエーションですよね。
 
 
お互い、知略・計略をめぐらせた、
戦いを繰り広げていきます。
 
な・ん・で・す・が!
 
最終決戦では、
これまでの頭脳戦が嘘のような真っ向勝負。
 
殴り合いという表現は正しくないけど、
殴り合いと形容するほかない、
命の削りあいは熱くたぎりました。
 
 
けっこう少年漫画してるので、
マンガが好きな人にもおススメですね。

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