”ドラマの感想” 日本沈没-希望のひと-

日本沈没マラソン
最後の作品。

ドラマ「日本沈没 ー希望のひと―」が
つい先日最終回を迎えました。

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というわけで、
全9話を視聴した感想です。

とその前にあらすじ。

あらすじ

舞台は2023年。
日本は世界環境会議で
海底資源採掘事業、
通称「COMS(コムス)」推進を発表。
 
さらに各省庁のエリートを集めた組織
「日本未来推進会議」を発足した。
メンバーの一人、天海啓示も、
COMSに関わることに。
 
そんな中「関東沈没」へ警鐘を鳴らす記事が
ネットに載ってしまう。

事態の収拾へ動く天海は記事の執筆者、
田所雄介教授と面会。

そこで衝撃の予言を告げられる。
「日之島が沈没し、それが関東沈没の前兆になる」

各話詳細は公式ホームページをご確認ください。

物語後半は関東大震災を引き金に
連鎖反応で、日本沈没へと加速していきます。
その中で、主人公・天海たちが
日本の生き残りをかけて奮闘する話となっています。
 

令和2作品目の「日本沈没」は
これまた、異色作となっていて、
そのことが分かりやすいのは登場人物。

ほぼ全てが、原作にはいないドラマオリジナル
キャラクターとなっています。

新解釈のドラマを作るぞ!
そんな意気込みを感じます。
 
なので、ちょっとテーマも変わってたり。
 
公式のキャッチコピーを引用すると、
「信じられるリーダーはいるか?」

というわけで、
「日本人をどう導くか?」ということが
主軸になっていくわけですね。

この辺り、TBSドラマイズムが
バリバリ出てます。
もっと具体的に言うと「半沢直樹」っぽい。
 
 
やはり、日本沈没はすごく重苦しいので、
それを日曜の夜に、
つまり「明日から仕事だ」って時に見ても
テンション上がらない気がしませんか?

働く人たちを応援するという点で、
働き盛りの若手にフォーカスしたのは、
わかりやすくて良いんじゃないでしょうか。
 
 
それに伴い、内容も
「日本が沈む」難局にどう挑むのか?
 
というよりは、
 
日本が沈むことによる利潤を
誰がものにするのか、を強く描いている。
 
上司との軋轢、だまし合い、劣勢からの逆転。
 
ここが個人的に異色作と思う点です。
 
 
例えば1話のラスト。
「関東が沈むなんてバカバカしい!」と
周りから非難轟轟の主人公・天海の前で
日之島が沈む場面。
 
ついつい、「ほらね!」とか
「ねえ、今どんな気持ち?」とか
口をついて出そうになる場面です。
 
本当なら、悲嘆する部分なのですが、
前のシーンまでで、かなりバカにされるので、
立場逆転はスカッとするでしょう。
 

このように、
「日本が無くなってしまう」という
とてつもない出来事を、
スカッと展開が中和してくれるので、
ラストまで、そんなに悲観することなく
見ることができました。
 
 
さらに、最終回には、
コロナを彷彿とさせる展開も織り込み、
現代を反映しているドラマなんだと思います。
 
 
現代らしさは演出にもあって。
 
とにかく音の情報量が多い。
壮大な音楽、よくしゃべるキャラクターたち、
ナレーション。
 
説明しすぎるくらい説明します。

もはや、画面を見なくても、
ドラマを見ることができる
と言っても
過言ではありません。
 
これは、ひとえに「ながら見」対策でしょう。
 
 
 
私自身も、テレビはスマホちょこちょこ見ながら
見てたりします。

家事しながらテレビを点けている人だっているでしょう。
 
耳からテレビに意識を持ってこさせようという魂胆。
 
 
まあ、せっかく「ながら見」できるように
作ってくれたわけですから、
利用しない手はないってことで、
プラモ作りながら見てる回もありました。
良い時代だ。
それにテレビはかしこまって見るものでもないすし。
 
 
そのほか、ゴールデンタイムのドラマにしては
なかなかVFXも頑張っていて。
日本が真っ二つになるところは見応えがあります
 
 
では、ここから個人的にイマイチだった点。

一番大きいのは
「1話に1回の逆転劇」でしょう。
 
先ほど良いことのように書きましたが、
裏を返せば、絶対に「逆転」を入れなければならないので、
それが足かせとなり、
展開が繋がってないと思うところも多々あります。
 
編集点が見えちゃってるんですよね。
 
見てる人に編集を意識させちゃうのは
ストーリーテリングとして上手くいってないのかなと
考えちゃいます。
  
 
あと「日本万歳」すぎること。
 
国土を失ったとき、
日本人のアイデンティティは保たれるのか。
日本人は世界に受け入れられるのか。

これらが、原作の大きなテーマでもあったわけです。
日本沈没とは列島だけでなく、
気質もなくなるのでは?という点も描いていました。

しかし、このドラマでは、難局に直面した際の解決策が、
日本のもつ技術が素晴らしすぎるので、
なんとかなりました。

 
という、展開が多すぎます。
 
それって、それで良いのか?
と、ちょっと思わなくもない。

ドラマの結末は、
06年の映画版と似ていますが、
至る過程がまったく違うので、
そこらへんも「カミカゼ」的な、
一種の驕りを感じます。
 
 
なんやかんや書きましたが、
やっぱりさ、日本には希望を持ちたいよね。

そんな願望を持った作品だったかもしれません。
 
 
この次はそろそろ、原作の感想も書こうかな。

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