まさか、ロバをカワイイと思う日が来るとは。。。
キュートすぎて、尊い。
そんな映画の話。
EO イーオー
データ
公開:2023年(日本公開)
製作国:ポーランド、イタリア
監督:イエジー・スコリモフスキ
あらすじ
愁いを帯びた瞳とあふれる好奇心を持つ灰色のロバ、EO。
心優しきパフォーマー、カサンドラのパートナーとしてサーカス団で生活していたが、
ある日サーカス団から連れ出されてしまう。予期せぬ放浪の旅のさなか、善人にも悪人にも出会い、運を災いに、
絶望を思わぬ幸福に変えてしまう運命の歯車に耐えている。しかし、一瞬たりとも無邪気さを失うことはない。
出典:映画『EO イーオー』公式サイトより引用
ロバが主役の物語というと、
ブレーメンの音楽隊が真っ先に思い浮かぶのだけれど、
まさにそれ!
ブレーメンでは、役割を失ったロバが
自分の居場所を求めて旅をする話。
イーオーも、動物愛護団体による訴えで、
サーカスで飼えなくなったロバが、
自身の安寧の場所を求めて放浪する話。
おとぎ話よりも実物がある分、確かな実感がある。
動物愛護とは言うけれど、
愛でるだけで終わってないかい?
本当の保護って?
そんな問いをもらった映画。
劇中で、「無理やり芸をやらせるのは悪」と訴える団体は、
代わりにロバを育てることはないのだ。
そんなわけで、農場行きとなったイーオー。
送られた先は、馬の厩舎だったため、
馬とロバの扱いの差に、やるせなさを感じることに。
どういうことかというと、
洗体してもらえるのが馬だけだったりして、
「なんだよ」みたいな表情を浮かべるんです。
もちろん、主役のイーオーはまったく喋らない。
喋らないのだが、仕草すべてに「やれやれ」って言葉が
聞こえてきそうだった。
特に、要所要所ではさまる、彼の眼のアップショットがすごく印象的。
イーオーは、とにかく行く先々でトラブルに巻き込まれ、
農場を追い出され、森をさまよい、街を練り歩き、
サッカー観戦に便乗し・・・、
ロバがイーオーだけだから、目立つ目立つ。
馬、オオカミ、人、牛。
どの群集にいても、浮いてる。
ただ、みにくいアヒルの子以上に、どこ行っても異端扱い。
最終的には鬱陶しがられるという。。。
トラブルの原因は、ほぼ人なのだけれど、
まあまあ、複雑な人模様もサイドストーリーとして描かれる。
例えば母子の禁断の愛だったり。
そんな人間模様は歯牙にもかけず、
イーオーは、愛を求めて旅を続けていく。
彼が最後にたどり着いた場所とは…?
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