ブタがブヒブヒ言うだけで、
なぜか愛おしい。
そんなドキュメンタリー映画の話。
GUNDA / グンダ
データ
公開:2021年
製作国:アメリカ、ノルウェー
とある農場で暮らす母ブタGUNDA。
彼女と彼女の10匹の子ブタたちを見守る映画。
最大の特徴は、
ナレーションや音楽が全くないこと。
色さえもモノクロである。
だというのに、
なぜか、約90分、見飽きることなかった。
ただただ、
ありのままを映し出しているだけなのに。
ちょっと理由を考えてみよう。
まず、題材に親近感があること。
私が、動物もののドキュメンタリー映画で
これまで見たことあるのは、
「アース」と「ディープブルー」くらい。
それらと大きく異なる点は、
主軸となるキャラがいる。→ブタの親子。
人が気軽に行けない自然の生命でなく、
家畜という、身近な存在が題材。
の2点かな。と。
親子なんて、昔から不変的に
題材として扱われるものだし、
家畜も、特殊な存在ではないからこそ、
親近感があります。
それを、超ローアングルで撮影することで、
よりブタの目線になれるから、いいですね。
次に、色がないこと。
やっぱり、色のイメージは強烈で、
ピンクのブタが映ると、
「こいつ食われるのかな。」
勝手にイメージしてしまう。
けれど、そういう色の情報がないだけで、
素直に、ブタという存在で見れる。
モノクロであることは、もうひとう利点が
あると思っていて。
それが子ブタの成長に関すること。
劇中、子ブタがどんどん大きくなるんですが、
それが、本当にいつの間にか、
大きくなってる印象なんです。
マジびっくり。
久々に甥、姪に会った時のアノ感覚!
成長してるということは、
撮影日は絶対に違うはずなのに、
「別日に撮ったな」感が前面に出ないのは、
モノクロにすることで、
いろんな撮影日の映像が馴染んでるからじゃ
ないでしょうか。
3つめは、あるがままを映していること。
劇中、人の存在が全く画面に映りません。
人工物感を極力排した作り。
あるがままなんです。
でも、家畜って、
人間が食べるために品種改良した
作られた存在でもあるわけですから、
「作られた存在の作りこみじゃない世界」と
考えると、なかなか面白い。
冒頭、小屋の出入り口から、
次々出てくる子ブタたちに、
ちょっとキュンとくるし。
一心不乱にGUNDAの乳を
求めるところもグッとくる。
あんまり人間と変わらない。と
感じました。
母親に踏みつぶされる子ブタは
笑っちゃいますし。
ムギュッって感じで。
踏まれるんです。
全編、説明があるわけではないので、
「これはどういうことなんだろう?」と
見てる側が想像できる作りに
なっているというか。
おかげで、新しい発見もある。
結構、大きくなるまで、
母ブタの乳を吸うんだな。とか。
乳牛でも、結構ダイナミックに走るんだな。とか。
牛といえば、2頭の牛がお互いのしっぽで
顔に群がるハエを追い払うところ。
これは、家畜だけの習性なのかな。
たぶん、ハエを払っているで良いんだよね。
違う修正の名残だったら、ごめんなさい。
結末はある程度予想できるんだけれど、
やっぱり、切ないよね。
GUNDAが、諦めみたいな表情で
小屋に入っていくところが、印象的。
以上、「GUNDA グンダ」でした。
今なら、シネマ映画.comで先行配信やってたりするので、
気になったら、ブルーレイ買うより安く見られます。
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