“仏教とは哲学?” 仏教思想のゼロポイント

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そもそも仏教って何ぞや?を
限りなくフラットに語った1冊!の話。

仏教思想のゼロポイント

仏教思想のゼロポイント 「悟り」とは何か [ 魚川祐司 ]

エンタメの世界でよくモチーフにされる仏教。
そういえば、よく知らないなぁ。と
思って手に取った次第。
 
 
仏教の教えとは、
「女性と目を合わせることのない
ニートになれ!」

 
だそうです。
 
なかなか衝撃ですね。
 
 
日本でも僧侶は、
仕事と思われているかたもいるそうですが、
仏教では、出家者は仕事をしてはいけない。
 
托鉢・・・つまり、人からを物を乞い、
最低限の糧を得ることで生活せよ。と
働くことを厳しく禁じているそうです。
 
そのため、法要の際でも、
金額が明示されないことが多いです。
仕事をして報酬をもらったことになりますから。
 
 
じゃあ、みんなどうしてんだよ。
というと、任意の額を受け取る「お布施」と
することで、労働と一線をひいていたり。
 
 
そして、女性と見つめ合ったり、
思い出したりしてもいけない。
アイドルが恋愛禁止というのとは、
わけが違う厳しさ。
 
 
この仏教の一部を切り取っただけでも
分かりますが、
おおよそ、人間としての正しさから
逆行しています。
 
人間らしさを捨てること。
「仏教」はそう説いているわけです。
 
 
人間らしさとは、何かというと、
欲望に執着すること。
 
執着を捨てて、ありのまま受け入れよ。

つまるところ、仏教はそんなことを
さとしているわけですが、まあ、難しい話。
 
 
なぜなら、いろんな欲望があって
文明・文化は生まれましたから。
 
例えば、
沖縄から北海道までその日のうちに行きたい!
夜でも本が読める明るさが欲しい
 
とかね。
それを切り捨てろというのも、
なかなか大変です。
 
というわけで、仏教開祖のブッダ氏も、
そんなことは百も承知で、
「分かるやつだけついてこい」
語っていたりします。
 
 
 
読めば、読むほど仏教って、
かなり哲学的だと感じました。
 
仏教の考えから、哲学を感じる、
特に目に留まったのを以下の3つにまとめます。
いずれも個人の価値観・執着が関係してきます。
 
 

仏教に感じる哲学

その1「縁起」
 
縁(よ)りて起こるものと書いて「縁起。」
全ての物事は、原因が、より集まって起こる。
原因がなくなれば消滅する。
 
その原因を作るのは、
一種の人の悪い癖。
 
盲目的に行為し続けることを
止めるべき。
 
 
 
その2「ありのまま受け止める」
 
目から入る情報は、
色の組み合わせの集合知に過ぎない。

耳から入る情報も、
鼓膜を振るわせている音波にすぎない。
 
そこに意味を持たせるのは、
個々人の価値観である。
 
 
 
その3「善も悪も捨て去る。」
 
どのような人が善いか悪いかは、
その時の文脈で変わる。
個々人の立場で変わり、
絶対的なものはない。
 
やはり、関係するのは
個々人の価値観。
 
ただし、善悪については、
善いことをすることは推奨されています。
脱善悪であって、反善悪ではない。
 
 
 
以上3つ。
こういった、執着は、
終わりのない不満足を生みます。
 
「輪廻転生」という考え方も、
実は、不満足な生を
繰り返し続けるということで、
あまり良くないことのようです。
 
輪廻転生からはずれた境地に至ること。
それが「楽」になること。
ちなみに、自ら命を絶つことは、
禁じられています。
 
なぜかというと、
不満足のため、命を絶つのだから。
輪廻転生に組み込まれてしまいます。
 
 
ちょっと上記3つとは
微妙に違うけれど、
面白かったので、
どうしても紹介しておきたいことが
あります。
 
それは、
自分の体ですら、自分のものではない。
という考え方。
 
己の支配下でなく、
自分の思い通りにならないものは
あなたのものではない。

というのも、自分の意思に反して
勝手に病にかかっちゃうし。
勝手に老いちゃうから。
 
だそう。
 
 
 
いや、ほんと。
仏教って宗教というか
哲学なんじゃなかろうか。

知れば知るほど、
納得しにくい部分もあるけれど、
完全否定しにくい部分もある。
 
 
おそらく哲学的だと感じる最大の理由は、
他の宗教と違い、
必ずしも全知全能の神を敬うわけではないこと。
だと思う。
 
神ではなく、自分の考えをもって
「人間らしさ」を捨てて
「楽」になることを目指す。
 
良いとか、悪いとかじゃなく、
楽になる。
 
世の中には、たくさんのしがらみがあり、
非常に生きにくい。
しがらみ=執着を捨てることで、
楽になりましょうよ。
そう語っていると思いました。
 
 

おわりに

日本には明確に
国の宗教と呼ばれるものはありません。
多神教とも無神教とも言える国だと思います。
 
多くの日本人が何かしらの宗教に
入っているわけではないものの、
葬儀の作法や、寺院など、
日本文化には何かしら「仏教」が紛れ込んでいる。
 
 
ということは、
「仏教って何?」を知っておけば、
何かしら、創作のヒントになるんじゃなかろうか。
 
てなわけで、この本を読んでみました。
 
仏教徒になりたいとか、そんなわけじゃなくてね。
 

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