“映画ってほんとにいいモノですね”『エンドロールのつづき』感想

いやあ、映画ってほんとに
いいものですね。っていう話。

エンドロールのつづき

アカデミー賞インド代表‼1/20公開『エンドロールのつづき』60秒予告【公式】

データ

公開:2023年(日本公開)
製作国:インド、フランス
監督:パン・ナリン

あらすじ

9歳のサマイはインドの田舎町で、学校に通いながら父のチャイ店を手伝っている。
厳格な父は映画を低劣なものだと思っているが、ある日特別に家族で街に映画を観に行くことに。
人で溢れ返ったギャラクシー座で、席に着くと、目に飛び込んだのは後方からスクリーンへと伸びる一筋の光…
そこにはサマイが初めて見る世界が広がっていた。
映画にすっかり魅了されたサマイは、再びギャラクシー座に忍び込むが、チケット代が払えずにつまみ出されてしまう。
それを見た映写技師のファザルがある提案をする。
料理上手なサマイの母が作る弁当と引換えに、映写室から映画をみせてくれるというのだ。
サマイは映写窓から観る色とりどりの映画の数々に圧倒され、
いつしか「映画を作りたい」という夢を抱きはじめるが――。

出典:映画『エンドロールのつづき』公式サイトより引用

念なことに、最後の最後、
大事なシーンが盗まれてしまったので、
「つづき」を見ることができない。
 
でも、なんだろう。
不思議と「つづき」を受け取った気がする。
そういう映画でした。
 
劇中で「映画は錯覚だ」って言うんだけど、
よくよく考えたら、たかが4色の光が作りだす錯覚なんですよ。
映画って。
 
それに、一喜一憂してるかと思うと不思議だよなぁ。
なんで、魅了されちゃうんでしょう。
 
 
の映画は、映画好きが一番最初に通る入口。
「映画の仕組み」にクローズアップした作品で、
主人公サマイが、映画の不思議、
なんでスクリーンという布に、人が動いている映像が映るのか。
そんな当たり前のことに、「なせなぜ」と探求心で突き進んでいく。
 
サマイがひとつ、ひとつ仕組みを理解していくごとに、
こっちもなんだか、ほっこりしていく。
ちょっと可笑しいのは、
やっぱり、インドの子どもも、退屈なシーンは
席にじっとしてられなくなるんだな、
万国共通なんだなと。と思うシーンがあるところですね。
 
サマイという名前が時間という意味というのも、
なかなか、映画愛が詰まってます。
時間芸術が映画ですから。
 
やんわりとカースト制度による、
職業選択の不自由さも出てきたり、
そこはかとなく、インドの風土を感じる。
中でも一番、風土を感じるのは、食事!。 
渾身のお弁当ショットが、これでもか!と畳みかけてきて、
見てるとお腹ペコペコになる。
 
丁寧に、調理シーンから見せるんですよ。
食材をすりつぶして混ぜ合わせて、
フライパンに油しいて、
焼き上げたら、弁当箱に詰め込んで・・・と、たまらんすね。
 
鑑賞の際は、ホットドッグを持ち込んだほうが
いいかもしれない。
 
 
というわけで、
「エンドロールのつづき」でした。
けっこう全体的に、静かに流れるので、
派手な展開が好きな人には退屈かもしれない。
だけど、ラストシーンで、
映画が残したものを考えると、ジーンときます。
 
 

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