ファーストカットの稲の穂から一瞬で心奪われる。
光の使い方が神秘的で美しい。
そんな映画の話。
お坊さまと鉄砲
出典:「お坊さまと鉄砲」公式サイトより
データ
公開:2024年12月(日本公開)
製作国:ブータン・フランス・アメリカ
監督:パオ・チョニン・ドルジ
あらすじ
2006年、国王陛下が退位の意向を発表し、ブータンは民主主義体制へと移行する。
総選挙で新しいリーダーを選ぶ必要があるが、ブータンでは選挙を実施したことがない。
国民の理解促進を図るため、政府は選挙委員をブータン全土に派遣し、
4日後に“模擬選挙”の実施を決定する。周囲を山に囲まれたウラ村。山で瞑想修行中のラマのもとを訪れた僧侶のタシは、
模擬選挙の報を聞いたラマから「次の満月までに銃を二丁手に入れてほしい」と頼まれる。
戸惑うタシに、ラマは「物事を正さねばならん」と話す。時を同じくして、銃コレクターのロンがブータンに到着。
ウラ村に昔の貴重な銃があると知り、アメリカから取引にやってきたのだ。
ロンは、運転手と通訳を務めるベンジとともに村へ向かう。一方タシは、村中の家々を尋ね歩き、
ペンジョーという村人の家に銃があるという噂を手に入れる。
銃を譲ってもらうためペンジョーの家に向かうが、一足先にロンとベンジが訪れていて……。ラマが銃を必要とした理由は? 選挙は、村人たちに幸せをもたらすのか―。
出典:「お坊さまと鉄砲」公式サイトより
まるで絵本のようなコメディ映画。
1カット1カットが、丁寧に撮られていて、
それぞれが1枚絵として成立している。
だからこそ、絵本みたい。
特に、合間にはさまる仏塔(でいいのかな?)と空のカットが、
物語の行く末を表しているようで、これも美しい。
例えば・・・、
雲がどの位置にあるかとか気にしてみると、
ウラの村のシンボルと同時に、
映画のシンボルにもなっている。
タシの進行方向だけ曇り空のショットは、
行く末が見通せないということを示唆しているし。
最後の最後の空模様とかは、登場人物の気持ちにもリンクしている。
この映画には、主軸の違う3つの物語があり、
一見違う話のように見える3つ話が最後、
1つの“銃”に収束していくのだけど…。
…あれは、ある意味、“銃”ってことでいいよね?
収束した末のシーンは、みんな大まじめだから笑っちゃう。
後味ほっこりな映画でした。
ここから余談。
ブータン映画は初めてみたので、
手づかみの食文化であったり、
仏塔をこえるときは、周囲をぐるりと回らないといけなかったり。
未体験の文化を知ることができて、そこも面白かった。
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