映画の感想 ❝ブルーバック あの海を見ていた❞

親と子、文化保護、恋、郷愁、
すべてを海が繋いでいて、
海を眺める=(イコール)人生を見つめる。

という構図が、印象的な映画のお話。

ブルーバック あの海を見ていた

12月29日(金)公開『ブルーバック あの海を見ていた』予告編

データ
公開:2023年12月(日本公開)
製作国:オーストラリア
監督:ロバート・コノリー

あらすじ

若き海洋生物学者のアビーは、
母親ドラが脳卒中で倒れたとの知らせを受け、
故郷の西オーストラリアに帰ってくる。

美しい海を一望できる実家で口がきけなくなったドラを世話するアビーは、
この家で過ごした少女時代に思いを馳せていく――。

8歳の誕生日にロバーズヘッドという入り江に初めて潜り、
巨大な青い魚の“ブルーバック”と出逢った宝物のような体験。
そして環境活動家だったドラから、
豊かな恵みをもたらしてくれる海の素晴らしさを教わったこと。
ドラの背中を見て育ち、海に魅了されたアビーが忘れかけていた大切なものとは何か。
かけがえのない日々を回顧し、アビーは自らの原点を見つめ直していくのだった……。

出典:『ブルーバック あの海を見ていた』公式サイトより

もう、邦題の通り!

戻らない日々のノスタルジーを
ひと言で表した秀逸なタイトルだと思う。
 
静かな映画なんですよ。
展開をひっくり返すような、事件が起きるわけでもない。
起きるわけではないのですが、
なぜか、すんなり見れちゃうのは、
きっと、「故郷に帰る」行為が、
普遍的に誰もが共感できるものだから。
 
私事ですけど、正月に帰省したときに、近所を散歩しました。
よく、通学に使ってた道、
買い食いに利用してた店、
かつての母校、
やっぱり、だいぶ風景は変わってました。
ただ、その変化したものの中に、
未だに当時のままの部分を見つけると、
あの頃を思い出せます。
 
上手く言葉にできない、この感覚が
詰まった映画なんじゃないかと。
 
 
 
ノスタルジーを際立たせているのは、
目を奪われるほどのダイビングパートの美しさ!
 
アビーは、海女さんとして、アワビ漁をしていた。
という設定のため、海のシーンが多い。
ここ観てるだけで、癒される。
 
-――――――――
ちょっと、余談。
アビー親子はシュノーケルだけ装備して、
海に潜ってるんだけど、
オーストラリアの海女さんは、
潜る時、頭には何も被らないのかな?
それとも、ただの映画的なウソなのか。
-―――――――― 
 
そして、キーパーソンになっている、
ウエスタン・ブルーグローパー。
漁中に、アビーが出会う魚で、
彼(彼女?)に、アビーは「ブルーバック」と名付けます。
魚には表情ないはずなのに、妙に愛嬌を感じる。
頬をつまみたくなるような、とぼけた顔してるんですよ!
 
CGかな、と思いきや、
実は、実物大を造形したらしく、
そのおかげで、ブルーバックとアビーの
ふれあいには温かみを感じました。
 
 
というわけで、
『ブルーバック あの海を見ていた』
 
はじめに書いたように、
ノスタルジーを感じる作品なので、
変えようとしたもの、
変えたくなかったもの、
変わってしまったもの。
 
それらを見届けていく中で、
最後の最後に「変わらないもの」を見つける、、、
なんか、故郷に帰りたくなる映画でした。

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