劇場で静寂が聞こえる映画の話
クワイエット・プレイス:DAY 1
出典:映画『クワイエット・プレイス:DAY 1』公式サイトより
データ
公開:2024年6月(日本公開)
製作国:アメリカ
監督:マイケル・サルノスキ
あらすじ
“音を立てたら即死”は、この日[DAY 1]始まった―
出典:映画『クワイエット・プレイス:DAY 1』公式サイトより
物語は、ひとつの家族を襲ったあの衝撃から471日前、世界が沈黙した日[DAY 1]へと遡る。
音を立てるものすべてに襲い掛かる謎の生命体が突如として大都市・ニューヨークに襲来し、
猫を抱えた1人の女性は、“即死度MAX”のサバイバルを余儀なくされる。
果たしてこの街に生き残る術など存在するのか。この絶望に、彼女はどう立ち向かうのか。
そして、“音を立ててはいけない”というルールに人類はいかに辿り着くのか。
究極のサバイバルの先に、彼女たちが見たものとは…
前作、前々作よりも、主人公たちの行動に理屈が通っていて見やすかった。
どうしてもシリーズものは、比較せずに語るのは難しいので、
少しばかり1と2の話をする。
前作までは、主人公たちの行動に、あんまり十分な説明がなかったと思うんですね。
例えば、1だったら、ほったらかしにされるクギとか。
2だったら、何のために入手したのか分からない医療キットとか。
メタ的な見方になっちゃうけど、
サスペンスを作るための行動にしか見えなくて、
物語としての必然性が欲しかったな。と。
今回は、そんなことなかった。
無茶無謀には、登場人物たちの思いが強く関わってくる。
例えば、
世界の危機に、サミラは馴染みの店でピザを食べることに強くこだわる。
なんで、世界の危機にピザを食べに行かなきゃいけないのか、って
思うんだけど、サミラという人間をだんだん知っていくうちに、
ピザっていうのは、ただの口実で本当は・・・。
ここは、しんみりしちゃう答えが待っている。
あと、相棒のエリックね。
なぞ行動が多い人だけれど、実はイギリスから来ていて土地勘がない。
若干の恐怖症もちってことが、分かってくると、
ちょっと、納得できる。
最後は猫のフロドか。
介助猫として、徹頭徹尾、職務をまっとうしたスペシャリスト。
てっきり、不確定要素を担うポジションかと思ったけど、
それはエリックの役割だった。
こちらは、映画の緩急の緩を担う。
前作までの赤ちゃんに代わるポジション。
とまあ、こんな感じ。
はじめに静寂が聞こえる映画なんて書いたけれど、
実は、前作、前々作に比べて騒々しい。
そろりと歩く音でも群衆になれば騒音になる。
そんな騒音になってしまうニューヨークだからこそ、
瞬間的に来る静けさが際立つ。
欲を言えば、もうちょっと静かなシーンが長くても良かったとは思うけど。
個人的にグッときた場面は、
生きる活力を失い、世間の音に耳を塞いでいたサミラが、
最後に、耳を塞いでいたものを外すところ。
やっと、喜びを見つけたっていう。あそこ。
グッときた。
3作目ともなると、
そろそろエイリアンの目的が気になるけれど、
人類の捕食でもなさそうだし。
知っちゃうと、つまらなくもなりそうで、ちょっと怖い。
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