映画の感想 “デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション”

とぼけた絵柄からは、想像もできない
セカイ系SFの作品。

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション

映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』本予告解禁!【前章3月22日(金)・後章5月24日(金)全国公開】
出典:映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』公式サイトより
公開:2024年3月(前章)/5月(後章)
製作国:日本
アニメーションディレクター:黒川智之
原作:浅野いにお
シリーズ構成:吉田玲子

東京でハイテンション女子高生ライフを送る、
小山門出(かどで)と“おんたん”こと中川凰蘭(おうらん)。
学校や受験勉強に追われつつも
毎晩オンラインゲームで盛り上がる2人が暮らす街の上空には、
3年前の8月31日、突如宇宙から出現し未曽有の事態を引き起こした
巨大な〈母艦〉が浮かんでいた。
非日常が日常に溶け込んでしまったある夜、
仲良しクラスメイトに悲劇が起こる。
衝撃と哀しみに打ちのめされる二人。
そんな中、凰蘭は不思議な少年に出会い「君は誰?」と問いかけられる。
その途端、凰蘭の脳裏に、すっかり忘れていた門出との過去が一瞬にして蘇る――!

出典:映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』公式サイトより

門出と凰蘭。
二人は、すべてを知らないにも関わらず、
人類滅亡に関わるすべての原因である。

この不条理さ。
懐かしいセカイ系SFを感じた。

浅野いにおという科学者が、現実の社会問題に
「砂糖、スパイス、素敵なもの」を加えて混ぜたら完成したに違いない。
 
 
どういうことなのか、原作の漫画は読んでいないため、
あくまで映画のみの話をさせてもらうと。。。
 
 
まず、宇宙人の存在。
侵略者として日本に認知されるけれど、
実際に侵略者だったかどうかは分からない。
 
なぜなら、侵略の描写がないから。

特に前章、宇宙人たちは日本人にひたすら虐殺されていく。
名前どころか、どこの星から来たかも分からない。
分かるのは、地球人ではない。ことだけ。
そんな、彼らは日本人に蹂躙されテクノロジーも奪われる。
後章にて、地球にやってきた理由が明かされると、
真っ先に思い浮かぶのは「移民問題」
 
どこにも行き場がない者たちは、厄介者なのだ。
追い払う理由は「日本人ではない」こと。
素性は二の次である。
そんな風にとらえられかねない、現実の社会と似てる。
 
 

次に、宇宙人襲来の原因が、
凰蘭が門出を救おうとしたことに起因すること。
良かれと思ったことは、誰かの負担になっている構図。
これは、悪と正義の二極化が進む、日本人の気質への皮肉かな。

行き過ぎた糾弾がたびたび問題視される世論と、
リンクしている気がする。
 
 
でも、どんな問題が起こっても結局私たちは、
自分の行いがどう影響を与えているか知らないのである。
それでも、世界は自分を中心に回っていると思うのである。
とまあ、こじらせた考察はこの辺にしておきます。
 
 
過去を覗くときのキューブの表現は、個人的には好き。
多面体って、見る角度を変えるという意味で、
すごくあってるんだなぁ。

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