映画の感想 “ブレードランナー ファイナル・カット”

ブレードランナーの決定版。
オープニングの特撮カットを見た時のワクワクは、
近年の作品でも滅多に味わうことができない。

ブレードランナー ファイナル・カット

ブレードランナー ファイナル・カット(字幕版)
製作国:アメリカ・香港
監督:リドリー・スコット
2019年、酸性雨で荒廃したロサンゼルス。

強靭な肉体と高い知能を併せ持ち、
人間そっくりな外見をしたアンドロイド
通称「レプリカント」が5体。殺人事件を起こし逃亡。

レプリカント専門の捜査官「ブレードランナー」である
デッカードが、5体のレプリカントを「処分」するため、
追跡を開始するのが…。

たびたび、はさまる都市の空撮。
ミニチュア合成らしいんだけど、
この奥行きの広がりは、近年のCGでもなかなか作れないと思う。
どう撮ったのか感嘆するばかり。

空撮が映るときは、車が当たり前のように空を飛んでいるので、
そんな心躍るハイテク技術の数々を見ると、
やっぱり、感動しますね。

とはいえ、やはりディストピア感はあるんです。
全編、暗い画面作りで、
雨には「恵み」よりも「悲しさ」が宿っている。

そんな、もの寂しさと驚嘆が入り混じった独特の世界観が、
ブレードランナーの魅力かなと個人的には思う。

印象に残っているのは、ピアノ演奏。
ヒロインかつ「レプリカント」のレイチェルが、
デッカードの部屋に飾られている、ある女性の写真を見て、
髪をほどいて、ピアノ演奏するシーン。

写真の女性に近づきたい思いを感じたここは、
アンドロイドでも愛情を持てるんだというのが、
直接的じゃなしに表現された、いいシーンだと思う。

そして、終盤の折り紙。

デッカードのとある夢をモチーフにした折り紙が、
当てつけのように、デッカードに渡るのだが。
ここの持つ意味は、やっぱりデッカードの行動が見抜かれていたのか、
それとも仕組まれていたのか。

仕組まれていた説を推したいなぁ。

それでこその「逃亡」につながりそうですし。

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