映画の感想 “ライド・オン”

ジャッキーで育った世代のための、
オマージュてんこ盛り映画のお話。

ライド・オン

映画「ライド・オン」本予告60秒 5月31日(金)全国公開
出典:映画『ライド・オン』オフィシャルサイトより
公開:2024年5月(日本公開)
製作国:中国
監督:ラリー・ヤン

香港映画界伝説のスタントマンと言われたルオ・ジーロンはケガをきっかけに第一線を退き、
現在は借金取りに追われながら中国の撮影所に住み込み、
愛馬・赤兎(「チートゥ」)とエキストラなどの地味な仕事をこなす日々を送っていた。

ある日、チートゥの元持ち主であった友人ワンの債務トラブルが原因で、
チートゥが借金のカタの一部として連れ去られる危機に。
困ったルオは疎遠になっていた一人娘のシャオバオを頼る事にする。
法学部の学生であるシャオバオは、恋人の新米弁護士ナイホァを紹介。
だがシャオバオは、スタントに入れ込むあまり母と離婚した父を受け入れられずにいた。

出典:映画『ライド・オン』オフィシャルサイトより

はじめに、映画のストーリーを辛口でいえば、
全シーンで助走が足りないので、
どのシーンにも、いまいち感情を入れづらい。
 
最近の中国映画の傾向なのか、
過程をカットして、展開を矢継ぎ早に繰り出す見せ方なんです。

これは、展開を「畳みかける」というより「凝縮」に近くて、
今、画面に映っている人物は、
どういう思いなんだろうな。って浸る余韻が足りないというか。
 
本来なら、
ためて、ためて、ドーン!っていう、展開だと
カタルシスを感じるところも、
問題起こって解決するまで、数分で終わっちゃうからね。
そういう意味で「助走」が足りない。
 
あと、勢いが削がれるタイミングで過去回想入ってくるし、
そういうところは、すごく気になった。

勝手な憶測で考えれば、SNSを筆頭にした
ショート動画の影響はあるのだろう。
「展開を短く畳みかける」という点で。

とまあ、語りましたが、
し・か・し!
数えきれないジャッキーオマージュに感嘆します。
 
 
ちなみに、吹き替え版で見ました。
字幕版で見るかめちゃくちゃ悩んだけど、
やっぱり、石丸さんの吹き替えにも馴染みありますし。

吹き替え版で視聴すると、
『プロジェクトA 』
『スパルタンX 』
『ポリス・ストーリー』
『酔拳』
『WHO AM I?』・・・etc
数々の思い出も、より深く蘇ってくる。
 

本作には、かつての映画の名シーンを
オマージュしたアクションがわんさか出てきます。
 
ハシゴを武器に使って、
椅子で軽やかに防御して、
ツボで格闘して、
爆破の中を走り抜けて。。。

やっぱりジャッキーはカッコいい。
あ、爆破を走りぬけるのは馬だったか。
そうそう、馬の演技が素晴らしく。
本作の魅力を高めているのは、馬の力も大きい。

犬ほど、表情豊かじゃないけれど、
ちゃんと感情があるように見えるので、
愛着わいてくるんですよね。
さすがに、危ないシーンはCGにしているけど。

ところどころ、CG感を残して「偽物」ぽっさを出しているのは、
やっぱり、本物に近づけすぎると、
CGと本物を混同した抗議とかあるからなのかな。
実際、街中を走ってるシーンは本物だと思ったし。
 
 
 
気になるのは、本作の構想が決まってからジャッキーをオファーしたのか。
ジャッキーの半生をもとに、このスタントマンの話を作ったのか。
いずれにしろ、
映画の中の主人公が下した決断に、
どうしてもジャッキーを重ねてしまう。

これが、時代が移り変わるということかな。
 

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