映画の感想 “動物界”

「添加物のかたまりだから、ポテトチップスなんか食べるな。」
「それに不服従してやる」

親子の最初のやり取り。
この何気ない一幕が、終盤の反逆の意思表示につながったところ。

鳥肌たつほど最高だった!

動物界

映画『動物界』予告篇|11月8日[金]公開
出典:映画『動物界』公式サイトより
公開:2024年11月(日本公開)
製作国:フランス・ベルギー
監督:トマ・カイエ

近未来。人類は原因不明の突然変異によって、
徐々に身体が動物と化していくパンデミックに見舞われていた。
“新生物”はその凶暴性ゆえに施設で隔離されており、
フランソワの妻ラナもそのひとりだった。
しかしある日、移送中の事故によって、彼らは野に放たれる。
フランソワは16歳の息子エミールとともにラナの行方を必死に探すが、
次第にエミールの身体に変化が出始める…。
人間と新生物の分断が激化するなかで、親子が下した最後の決断とはーー?

出典:映画『動物界』公式サイトより

冒頭の親子のくだりもそうですが、
細かいディティールが、すべて繋がっている気がして。

たとえば、やたら健康志向な父親。

息子の食事に、細かく口を出していくのですが、
裏を返せば、動物化を病気としてとらえている証。

この世界で重要なのは、
動物化とは、変化か病気か。

病気だとした場合、それは治せるし、予防できる。
人間のままでいられる。

劇中では、動物化した人々を新生物と呼んでいた。
彼らへの理解が深まるたびに、
あまりにも住む世界が違いすぎて、相容れない世界だと感じてしまう。

一番大きいのは、言葉が通じないこと。
動物化が進むと、音声機能も動物のそれになっていく。
もう「ワン」とかしかしゃべれなくなっていく。

人間は言葉で縄張り、仲間を見分ける能力を得ていた。

もし言葉が通じないほど異なる社会があるとしたら、
共生は本当にできるものなのだろうか?

現実は、どうなのでしょう。

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