神に仕えるといえど、
心のうちには策謀あり。
今回は、そんな映画のお話。
教皇選挙
データ
公開:2025年3月(日本公開)
製作国:アメリカ・イギリス
監督:エドワード・ベルガー
あらすじ
全世界に14億人以上の信徒を有するキリスト教最大の教派、カトリック教会。
その最高指導者にしてバチカン市国の元首であるローマ教皇が、死去した。
悲しみに暮れる暇もなく、
ローレンス枢機卿は新教皇を決める教皇選挙<コンクラーベ>を執り仕切ることに。
世界各国から100人を超える強力な候補者たちが集まり、
システィーナ礼拝堂の扉の向こうで極秘の投票が始まった。
票が割れるなか、水面下で蠢く陰謀、差別、スキャンダルの数々に
ローレンスの苦悩は深まっていく。
そして新教皇誕生を目前に、厳戒態勢下のバチカンを揺るがす大事件が勃発するのだった……。
衣装から舞台背景まで、地味な色使いの画作りは、
誰も際立って見えないから、
誰の腹の底も伺いしれないことを示しているのでは?
そこが巧みだなぁと。
赤い服着てるはずなのにね。
誰も目立たないんですよ。
たぶん、彩度を薄くしているおかげもある。
一転、終盤は明るい画作りになっている。
この対比ね。
終盤まで行くとひとつの解決が見えてきた、
つまり、光明が見えてきた段階だから、
人物がくっきり見えるような見せ方になっているなと。
そう、思います。
今作で描かれるカトリック教会は、
家父長制が根強いことが見て取れます。
シスターの
「我々は見えぬ存在・・・」のようなセリフやら、
実は、選挙に利用されていたと分かるシーンがあるんですけど、
そういう節々にみえる女性の立場の弱さが、よくも悪くも伝統的。
そんな、伝統に風穴をあける展開が待っているのですが…、
それは本編を見て確認してほしい。
お気に入りのシーンは、
7つの像に囲われた扉から白服のシスターが出てくるところ。
新しい未来の提示を感じました。
あんまり、詳しく語ると面白さも無くなるので、
このくらいの濁し方で。
それは、さておき
イノケンティウスという人物名が出てくるわけですが、
どのイノケンティウスなんでしょうね。
個人的には3世か8世か。
…と思っていたら、映画のホームページにて、
10世ともいわれています。
いろいろ含みを感じて面白いです。
名前がでてくるあのシーンは。
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