映画感想❝オオカミの家❞

オオカミに従うか。
ブタを従えるか。

どちらの道も食い物にされることには変わりない。
というお話。

オオカミの家

映画『オオカミの家』予告編

データ
公開:2023年8月(日本公開)
製作国:チリ
監督:クリストバル・レオン、ホアキン・コシーニャ

あらすじ

美しい山々に囲まれたチリ南部のドイツ人集落。
“助け合って幸せに”をモットーとするその集落に、動物が大好きなマリアという美しい娘が暮らしていた。
ある日、ブタを逃がしてしまったマリアは、きびしい罰に耐えられず集落から脱走してしまう。
逃げ込んだ一軒家で出会った2匹の子ブタに「ペドロ」「アナ」と名付け、世話をすることにしたマリア。
だが、安心したのも束の間、森の奥から彼女を探すオオカミの声が聞こえはじめる。
怯えるマリアに呼応するように、子ブタは恐ろしい姿に形を変え、
家は悪夢のような禍々しい世界と化していく……。

出典:『オオカミの家』公式サイトより引用

映画のモチーフとなったカルト団体、
コロニア・ディグニダは、「ナチスの残党」を自称。
チリに実在した、元々はドイツ系移民のコロニーだったそう。
しかして、その実態は権力と規律が支配し、
少年たちへの虐待が行われていた。
 
少年への虐待というと、
今、日本ではタイムリーすぎる話題ですね。
 
コロニア・ディグニダという異様なコロニーを、
見たこともないストップモーションの技術をもってして再現した映画。
 
実話的再現ではなく、恐怖、異様さという概念の再現かな。
何も知らないで見たら、プロパガンダ映画かと見紛う。
 
異様さを際立たせているのは、全編ワンカット風の映像と、
ペイント、立体物入り混じるアニメーション、
それらは全て人間大のサイズで作っていて、とんでもない手間暇かかってる。
 
「カメラによる絵画である」と公式HPにあるように、動く絵画というべきか。
個人的に未体験の映像だった。

未体験のものって、異質で警戒するけど、
・・・初めてのお化け屋敷とかさ。
あの感覚がずっと続く感じ。
しかも、シームレスにすべてが繋がっていくから、
ひと息つく、落ち着く瞬間がないのよ。
なんともいえない、不気味さでしたね。
 
 
従順なブタとしていきるか。
そこから逃げるか。
 
愛らしいブタを育てても、
そのブタに牙をむかれる。
この構図が、
人に親切にしても、裏切られるもので、
だからこそ、オオカミ・・・つまり、コロニア・ディグニダに
守って貰わなければ、いけないんだ。
 
そういう描写に個人的には思った。
まあ、たぶん、理解できなくて正解。
オオカミの洗脳にはかからないはず。
 
 

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