たぶん、見たら「出ていけ!」と
誰かに叫びたくなる映画の話。
ゲット・アウト
データ
公開:2017年
製作国:アメリカ
監督:ジョーダン・ピール
あらすじ
アフリカ系アメリカ人のカメラマン、クリスは、
とある週末、白人の彼女ローズから実家へ招かれるが、
黒人が受け入れてもらえるのか不安を抱えていた。
ところが、ローズの家族はクリスを温かく歓迎。
それも過剰なまでに。
クリスの心配は杞憂かに見えたが、
黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚えてしまう。
翌日、パーティに出席したクリスは、
白人ばかりの中に一人の黒人を見つける。
思わず、彼を撮影すると、相手は一変。
鼻血を出しながら、クリスに襲い掛かってくる。
「NOPE/ノープ」が面白かったので、
ジョーダン・ピール監督の過去作に手を出してみた。
初監督で、これってマジ?
人生3回くらいまわってないか。
ってくらい、めちゃくちゃ面白かった。
ただ、この映画イジワルなんですよね。
伏線だらけ。
何が言いたいかっていうと、
誰かに語りたくなるけど、
何を言ってもネタバレになりそうで言えない。
そんな、ジレンマがある映画です。
とにかく、伏線の貼り方と回収の仕方がキレイで鮮やか。
あんまり、言えないけれど
オークションのシーンは、
肝が冷えたね。
ジャンルとしては、ホラーな話ながら、
抱えているテーマは「白人リベラルの欺瞞」
自分たちは人種差別などしない。と
そう言っている人たちの潜在意識にある「差別」
それを描きたかったらしい。
実際、DVDには、
劇場未公開エンディングが収録されているのだけど、
こちらは、なかなかビターな終わり方をする。
いわく、現実をつきつけるには、
多くの人の心を揺さぶるエンドだけど、
当時は警官が黒人を不条理に射殺するなど事件が多く、
希望を感じる終わり方にしたほうがいい。と、
エンディングを差し替えたらしい。
そうみると、オークションのシーンも
白人が黒人を搾取している構図に見えてくる。
物語で、印象に残ったのはシカ。
序盤でシカをはねてしまうクリスとローズ。
その後、ローズの実家で目にするシカのはく製。
ここは、理不尽な暴力を受ける黒人が、
白人リベラルの一種の見栄に利用されている、
構図にも見えたなぁ。
もうひとつ、上手いな~と思うのは、
・シカをはねたクリスとローズ
・交通事故にトラウマを抱えているクリス。
・物語終盤での、とある事故。
これらが、リンクしてくるところだよね。
たぶん、2回、3回と
見れば見るほど、味が出るような
スルメみたいな映画でした。
わりかし、短いのも繰り返し見やすいポイント。
狙ってたのかな?
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