ジャック・ニコルソンが
超こえ~映画の話。
シャイニング
データ
公開:1980年(日本公開)
製作国:アメリカ
監督:スタンリー・キューブリック
あらすじ
豪雪のため冬の間だけ閉鎖するホテルの
冬季管理を任されたジャック・トランスは、
妻のウェンディーと息子ダニーとともにホテルへやってくる。
かつて、このホテルでは、管理人が自分の家族を惨殺するという、
いわくつきのホテルだった。
当初は気にもとめていなかったジャックも、
ホテルの狂気に飲みこまれていく・・・。
物語の舞台は
豪雪地帯のためインフラが途絶えるホテル、という
ミステリーお馴染みのクローズドサークル。
これがサスペンスに拍車をかけている。
何があっても出られないんだもの。
なんといっても
パッケージにもなってるこのシーンが超有名。
実際にここ見ても、超怖い。
ただ、パッケージを冷静に見ると、
場面の切り取りかたがギャグっぽい。
はずなのに、この漂う狂気はどうして生まれるんでしょう。
ジャック・ニコルソンの演技力の高さ、恐るべし。
キューブリック作品は、映像が気持ちいい。
異常なまでのシンメトリー空間もそうですが、
シャイニングで印象的なのは、空撮やステディカムの長回し。
カメラがずーっと対象を追いかけていくカットが続くんだけど、
それを見てると吸い込まれていきそうな不思議な感覚におちいる。
邪悪な〝あちら″の世界に。
そして、柱を境界線として上手く使ってて。
柱の前をカメラが通り過ぎると、別の色味になってる。
ひとつ隔てて別世界に変わる演出。
さらに、鏡ね。
ホラー映画に鏡は定番っちゃ定番なんだけど、
『シャイニング』では、狂気が宿る瞬間を鏡で映すというスタイル。
ここまでのすべての演出が、
自分のすぐ隣に〝何かいる”ことを印象付けてくる。
物語が進めば進むほど意識せざるを得なくなってる。
違和感をセリフなしで分からせるの上手すぎない?
見てる側が自然と謎を追ってる、思考するようになるから、
後半の畳みかけるハラハラと、最後の「行っちゃった」感。
すごい、胸に残る。
最後に。多くの人には関係ないけれど・・・。
映像編集とか仕事でやってると、
イマジナリーラインと呼ばれるルールを守れと言われるんだけど、
シャイニングってイマジナリーライン越えてたりするんだよね。
これ見てると、イマジナリーラインを越えてても
意外と気にならないから、
編集は、理屈じゃなくて感情なんだよ。と思える。
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