“映画感想”『チーム・ジンバブエのソムリエたち』

映画

ワインに救われた男たちが
ワインで故郷を救おうとするドキュメンタリーの話。

チーム・ジンバブエのソムリエたち

出典:映画『チーム・ジンバブエのソムリエたち』公式サイトより引用

データ

公開:2022年(日本公開)
製作国:オーストラリア
監督:ワーウィック・ロス、ロバート・コー

あらすじ

“ワイン真空地帯”のジンバブエ共和国から、4人のソムリエが
「世界ブラインドワインテイスティング選手権」に初参戦する珍事が起きた。
ジンバブエから南アフリカに逃れた難民かつ黒人の
“チーム・ジンバブエ”を迎え撃つのは、“神の舌を持つ”23カ国の一流ソムリエたち。
先進国の白人が多数を占めるスノッブな世界に、
故郷ジンバブエの威信をかけて乗り込んだジョゼフ、ティナシェ、パードン、マールヴィン。
クラウドファンディ ングの支援を受けて
ワインの聖地フランスのブルゴーニュにたどり着いたものの、
限られた経費で雇ったコーチは久し振りの晴れ舞台で大暴走。
浮き足立つ“チーム・ジンバブエ”の波乱に満ちたスリリングなワインバトルの結末はいかに!?

出典:映画『チーム・ジンバブエのソムリエたち』公式サイトより引用

このテーマを選んだ時点で、
面白いのは約束されたようなもの!
 
 
大会に出るのもはじめてな
ジンバブエチームを追いかけることで、
テイスティングって何?を
説明臭くならず、自然と分かる話運びになっている。
 
いやはや、
大会のルールがキッチリ体系化されていることをはじめて知った。
審査基準が本当に細かくて、品種、産地、はては作られた年まで、
細かく言い当てなければならない。
 
当てた分だけ点数が入り、
制限時間内に、12本のワインを全て答えなければならない。
時間制限があるために、
1本を吟味する時間は限られているところも、みそ。
 
さらに、大会は4人1チームで行い、
相談してワインの銘柄を当てていく。
各チームにはコーチもつく。
 
 
・・・と、スポーツの大会と同じなんだよね。
 
 
数百本にわたるワインから品種を絞るのに大事なのは、
とにかくたくさんのワインに触れること。
 
経験を積むしかないのだ。
 
 
このルールの理解を、
チームのメンバーと同じように観客も理解するので、
チームの一員になったよう。
だから、映画後半は、ジンバブエチームに勝ってほしい。
そんな気持ちになります。
 
 
経験が全てなため、必然的に、
たくさんのワインに触れる機会のある、
ワイン産地の国が、圧倒的に有利なわけです。
 
ジンバブエは、もちろん産地でもないし、
主要4人の亡命先、南アフリカも当然、ワインに明るいわけではない。
 
それでも、品種、産地どころか年代まで言い当ててしまう選手たちに
舌を巻くばかり。
 
 
大会に関する華やかな話とは裏腹に、
いっぽうで辛い現実も。。。
 
経済政策の失敗により、働いても働いても、
食事にありつけない、ジンバブエ。
 
家族を養うため、やむなく南アフリカにいくも、
飲食店以外の仕事には、就くのが難しい。
そんな中、ワインテイスティングの才能に気づくことができ、
ソムリエとして、仕事ができるまでになった4人の男。
ジョゼフ、ティナシェ、パードン、マールヴィン。
 
祖国を抜けた男たちが、大好きなワインで
祖国を背負って戦う。
いつか故郷のためになると信じて。
 
 
彼らにとって大会の結果は、かなり価値が重く。
最下位では、「やっぱりね」という印象にしかならない。
どうしても、価値ある勝利がほしいジンバブエチームの結果はいかに?!
 
それは、映画を見てのお楽しみ。
 
 

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