映画って何の役にたつのかと問われたら、
何て答えるか。
その答えを見出していく、
1人の映画マンの自伝的な話。
フェイブルマンズ
データ
公開:2023年(日本公開)
製作国:アメリカ
監督:スティーブン・スピルバーグ
あらすじ
初めて映画館を訪れて以来、映画に夢中になったサミー・フェイブルマン少年は、
出典:映画『フェイブルマンズ』公式サイトより引用
8ミリカメラを手に家族の休暇や旅行の記録係となり、
妹や友人たちが出演する作品を制作する。
そんなサミーを芸術家の母は応援するが、
科学者の父は真面目な趣味だと考えていた。
そんな中、一家は西部へと引っ越し、
そこでの様々な出来事がサミーの未来を変えていく――。
言わずとしれた、
スティーブン・スピルバーグ監督の原体験を描く。
だけど、普通の自伝作品じゃない。
まず、主人公の名前が、フェイブルマン。
フィクションとしての味付けをし、
エンタメに昇華してるのは、映画人としての矜持なのかも。
「なんで、衝突にこだわるのかしら」などなど、
スピルバーグの作品を知ってると、
ニヤリとしちゃうセリフもあったりで、
このあたりとか、映画のフィクションだよなぁ。
冒頭、とある映画の特撮が出てくるシーン。
25年以上前に、初めて映画館で『ゴジラ』を見たときを思い出した。
子ども心に、こんな生き物はいないと分かってるはずなのに、
実際にいるんじゃないか。
上手くいえないけど、作り物に本物の迫力という、
相反する2つがないまぜになった映像に、
眠れなくなるほど興奮した!
そんな懐かしい気持ちにさせてくれました。
そして、劇中、繰り返し出てくる、
『出来事には意味がある』
かなり、精神的にまいっちゃう出来事が
怒涛のようにやってきて、
それでも、前に進まなきゃいけない。
例えば、キャンプの記録映像のシーケンス。
「あること」に気づく瞬間とか、
けっこう、いやらしい見せ方してます。
観客も「気づいちゃう」あれ。
あの瞬間、フェイブルマンとシンクロした気がする。
あと、家族がリビングで泣いてる場面で、
この映像を撮ってる自分を思い描いちゃうシーン。
どうしようもない、映画ジャンキーになってる。
悲喜こもごも、すべて映画の礎にしちゃうような、
「出来事に意味を見出していく」あの感じ。
これを、エモいっていうのかな。
まあ、何にせよ。
ヒトコト言わせてほしい。
金出すから、あと30分見せてくれ!
最後の余韻が抜けないぜ。。。
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