映画感想“ツィゴイネルワイゼン”

映画

個人的に、これまで見て来た映画の中で
あらすじに困る映画、ベスト10に入りそうな作品。

ツィゴイネルワイゼン

ツィゴイネルワイゼン

データ

公開:1980年4月(日本公開)
製作国:日本
監督:鈴木清順

あらすじ

大学教授の青池は、
友人・中砂の傍若無人さに振り回されていた。

二人は旅先で芸者の小稲と出会い深い仲になる。

1年後、中砂から結婚の知らせを受けた青池が、
中砂家を訪れると、新妻の園は小稲にそっくりであった。

そこから次第に、夢うつつな体験をしはじめる青池。
やがてそれは青池の妻も、巻き込れていき…。

原作は、日本を代表する文豪、内田百閒の小説。
 
怪奇的であり、幻想的であり。
独特すぎて、上手くかけないのだけど。
ヒトコトで表すとすれば
「境界」の映画かな。
 
たとえば、職場にいる青池と自宅にいる妻が電話するシーン。
二人の距離感を、壁一枚で表現するという大胆な見せ方。
どこら辺が大胆かというと、同一セットに二人いて、
壁越しに会話してるように見えるという。
 
距離という境界もあるけれど、
なぜかこのシーン、室内なのに桜吹雪の舞い散るという、
これまた、あんまり見ない手法。
室外と室内の境界がなくなってる。
 
 
これらの境界を意識させるショットは
他にもあって。
 
青池と中砂の二人が酒を酌み交わすところも、
なぜか、中央に柱がドーンとあったり。
 
頻繁に出てくる「トンネル」
トンネルってAとBを繋ぐ、狭間みたいなものだし。
 
なんで、こんな変なショットばかりあるのかなぁと思ってたら、
理由は最後に明らかになる。
 
 
繰り返し同じ構図が出てくるのも、特徴的。
特に青池が坂道を登るシーン。
展開の変わる節目節目に入るのだけど、
最後だけ下ってくるんだよね。
 
その意味するところは・・・
 
 
とまあ、いろいろ書いたけれど、
実は、この映画の本質は、まだ見抜けてないんだろうなぁ。
そう感じました。
 
タイトルにもなっている「ツィゴイネルワイゼン」は、
あんまり劇中で出てこないので、
この辺りのことが、いずれ分かるようになるのだろうか。
 
そして、ストーリーも、
実は分かったようで、すごい難しい。
起承転結で見せるというより、場面の切り抜きに近いため、
変わったシーンが多い。

盲目の3人組芸者の出てる場面を筆頭に、
首まで地面に埋まった中砂とか。
あれもこれも、実は○○の走馬灯と思えば、
分からないのでもないのだが。
 
 
まあ、この手のやつは、
深く考えるより、感じたことが正解なんでしょう。

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