映画感想“マインド・ゲーム”

映画

2D、実写、3D、入り乱れる
スーパーエキセントリックな映画の話。

マインド・ゲーム

マインド・ゲーム [Blu-ray]

データ

公開:2004年8月(日本公開)
製作国:日本
監督:湯浅政明

あらすじ

幼なじみの初恋相手みょんちゃんに偶然再会する西。
しかし、運悪く借金の取り立てにきたヤクザに惨めな殺され方をしてしまう。
未練たっぷりの西は神様に逆らって再び現世に舞い戻るが・・・。

の頭の中を、そのまんま覗き見できたら、
たぶんこんな映像に違いない。
 
頭のイメージを出力するときって、
実はそのまんま出してるわけじゃなく、
近い何かに置き換えて僕らは会話してると思う。
なぜなら、厳密には言語化できないから。
 
その置き換える工程をとっぱらった、
ある意味、生々しい映画だった。
 
本当の本当に、イメージを出力できたら、
整理整頓されたものじゃなくて、
もっと、乱雑で咀嚼しにくいような、
変なものであるはずだ。 
常人には、思っててもできないことが
この映画に詰まってると思うと、ただただ感嘆するばかり。
 
天国の描写もそうなんだけどさ、
何食ったら、こんな映像ができるのか皆目見当もつかないし。
ずーっと2Dのアニメ調かと思ったら、
突然顔だけ実写になったり、
ときおり挟まる3Dのカメラワーク・・・、
無駄に焼き鳥屋とか3Dになってたりするからね。
さらに、人間の肌が緑色とか、
色彩がビビットカラーになったりするし。
追えば追うほど訳わからん。
しかし、謎に中毒性があって、見てて楽しい。
 
この“グッチャグチャ”な感じは、アニメーションだけじゃなくて。
構成も、整頓されてない感じ。
例えば、アバンはこれから起こることのちょい見せなんだけど、
この時点で何が起こるかさっぱり分からない。
後々、物語が進むと意味を持つようになる仕掛け。
 
この整頓されてない中に、
人生の喜怒哀楽みたいなものがミキサーされてる。
もう、自分の感性のレベルがどんなものか測りたいときに見ると、
いいリトマス試験紙になるかも。そんな映画かもしれない。
・・・めっちゃテキトーなこと書いてます。
 
 
とまあ、終始圧倒されたのだけど、
なんだけど。。。
強い映像の羅列だけで物語が構成されるため、
見た目に反して話の起伏が薄い気がした。
 
印象に残るカットはあるけど、
印象に残るシーンが少ない
っていったらいいのか。
上手く言えないんだけれども。
 
盛り上がりそうな場面が
思ったほど熱くなれないというか。
終盤の“とある場所”からの脱出シーンとかさ。
躍動感はスゲー!だし、
見たことない映像ばかりで、ワクワクするんだけど、
ふと、冷静になると、これなんだっけ?ってなる。
 
 
まあ、ブルース・リーじゃないけど
「考えるな、感じろ」
そんなタイプの映画でしたね。自分にとっては。 

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