映画感想“岸部露伴 ルーヴルへ行く”

ルーヴル美術館にたたずんでいるだけで、
絵になる男の劇場版!

岸部露伴 ルーヴルへ行く

映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』本予告 【5月26日(金)公開】

データ

公開:2023年5月(日本公開)
製作国:日本
監督:渡辺一貴

あらすじ

この世で最も黒い「黒」を使った絵の謎をめぐるサスペンス。

漫画家・岸部露伴は、青年時代、淡い思いを抱いていた女性から、
この世で「最も黒い、邪悪な絵」の存在を聞く。

それから時は経ち、「黒い絵」がルーヴル美術館に所蔵されていると知った露伴は
新作執筆の取材といい、フランスを訪れる。微かな慕情を抱きながら。
しかし、美術館職員に「黒い絵」の存在を知る者はおらず、
露伴は、黒い絵にまつわる奇怪な出来事に巻き込まれていく。

高橋一生さんのハマり具合でも話題になった、
TVドラマ「岸辺露伴は動かない」が
ついに銀幕デビュー。

ビジュアル見ると分かるけど、
ルーヴルの前に佇んでいるだけで、
こんなに絵になる男が他にいるだろうか。
いや、ない。
 
 
この「ルーヴルへ行く」は原作未読なので、比較語りはしない!
  
物語は大まかに三部構成で、
日本編、過去編、フランス編となっている。
はじめに映画の感想を忌憚なく言えば、大河ドラマっぽい。
ホントにホントに!
 
何がと言われると悩んじゃうんだけど。
例えば、大河って人物の歴史を順番に追うから、
序盤はどうしても、退屈なシーケンスがあるんです。
あの序盤の雰囲気を感じたんですよ。個人的に。

けっこう平坦な物語の見せ方のため、
大河序盤のような「何か起こりそう」だけで、
2時間引っ張るのはちょい長く感じる。

これは岸部露伴の立ち回りが、
主人公でなくストーリーテラーだからだということもあるかと。
元々、「岸部露伴は動かない」は、
「ジョジョの奇妙な冒険」という作品のスピンオフ。
だから、「ジョジョ」に比べて、話も超能力を使わなかったり、
本道から少し外した話になっていて、
露伴も事件の主軸にいるわけではなかったりする。
 
なので、この「ルーヴルへ行く」でも
露伴は巻き込まれてるだけなんだよね。
因縁もないから。
実は「黒い絵」の先に何があるのか。は、
わりと、見てる側にはどうでもいい謎で。
この「黒い絵」に翻弄される人物たちが
どう葛藤していくのかを見たいのだけれど、
露伴の立ち回り上、それはあんまり期待できないという。。。
 
単調さを避けようとしてるのか、
カメラを気づかないくらい、じわーっとズームしてたり。
全カット、何かしらのカメラワークしてるんだけど、
同じ演出が続きすぎて、さすがに途中で飽きる。
 
 
最後に、1つだけ気になったのは、
シリーズ特有の「そんなことまで語るのか」的なセリフと、
余韻を見せるシーンの嚙み合わせはあんまりよくなかったかも。

 
特にラストの余韻がね。
その前のシーンがなければ、もっと際立つと思ったのだけれど。。。
所々、セット感を強く感じるので、
セリフの長さと相まって「予算無かったんだろうな」と邪推しちゃう。
ここはドラマじゃ気にならなかったけれど。
たぶん家の中でも、窓の外の風景とか見えないから、
世界の拡がりを感じにくかったのかなぁ。

 
さんざん、書きましたが、
やっぱり画面に映ったルーヴルの力強さは、
しばらく忘れられないだろうな。
 
はじめて踏み込んだ瞬間に、
「世界が変わった」とはっきり感じましたから。
 
 
 
 

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