今、珍しくない演出がこの頃からあったんだという驚き。
かーなりカルトだと思う映画の話。
ひなぎく
データ
公開:1991年3月(日本公開)
製作国:チェコ
監督:ベラ・ヒティロバ
あらすじ
自由気ままに生きる姉妹。2人の名前はともにマリエ。
男たちを騙して食事をおごらせ、笑いながら逃げ出す。
部屋の中では、牛乳風呂に入り、ソーセージをあぶり、
酔っぱらって、ディナーショーを台無しにしたり。
常に“面白いこと”に飢えている二人は、
ある日、パーティ会場にしのびこみ・・・。
元々、1966年の映画。
今現在、あらゆる配信サイトにラインナップされていないため、
見るとしたら、難易度高めの映画。
再上映で初鑑賞。
いたずらを繰り返す姉妹の姿は、まるでピクシー。
勤勉に働いて、
外聞を気にして、
キレイでいなければならない。
がんじがらめの日常に退屈して、
その鬱憤が爆発したような映画。
さながら時限式爆弾。
冒頭から強烈。
普通、人間の動きにつけない効果音をつけているため、
なかなかインパクト強し。
さらに、画面の色味も赤だったり、青だったり、白黒になったり。
変幻自在。
極めつけは、画面が細切れになったり、
唐突な場面転換。
もう、めちゃくちゃなんだけど、
実は、割と整理されていて。
場面転換も、唐突に見えて、アクションつなぎをしているので、
すごく映画的で見やすい。
意味わからないけど見やすい。
こういう編集って今でも場面転換で使ってたりする。
スパイ映画で見かける、扉あけるアクションと開けたアクションで、
違うシーンに切り替える手法。
それが、もうこの時代にあったのか。。。
姉妹の衣装も特徴的で、ほぼ下着だったり、軽装がほとんどなんだけど、
終盤、がんじがらめに縛られるんですね。
新聞紙で。
世間体にがんじがらめ。この場合の世間体は、
おそらく、「女らしく」という同調圧力みたいなものだと思うけれど、
それの象徴かなと思ったり。
世間体から脱却して、自由気ままに生きる姉妹。
ただ、映画の中で、ずっと「面白くない」って二人は言ってるので、
本当は、世間と自分らしさとの間で生きられるのが一番楽しいんだろう。
映画の悪者における、効果的な描き方が一つある。
それは、食べ物を粗末にすること。
たったこれだけで、その人物はひどい悪に見えてくる。
もちろん、この映画でも。
あのシーンはイライラしたもん。
とにかく、変なんだけど、妙に目が離せない。
感性を高めてくれるような表現の数々が楽しい映画でした。
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