“映画感想” それでも夜は明ける

映画

約170年も前の実話を描く、
歴史映画の話。

それでも夜は明ける

それでも夜は明ける(字幕版)

データ

公開:2014年
製作国:アメリカ、イギリス
監督:スティーブ・マックイーン

あらすじ

1841年、奴隷制度をとっていた時代。
奴隷でない“自由黒人”の地位にあったソロモンは、
家族と幸せな日々を送っていた。
 
白人の友人も多くおり、
バイオリニストとして活動していたある日、
突然誘拐され、奴隷にされる。
 
彼を待ち受けていたのは、
狂言的な選民思想を持つエップスら白人による
容赦ない差別と暴力。
 
人間としての尊厳を踏みにじられながらも、
家族と再び出会うために生き抜いた
11年8カ月と26日間の記録。

実話をもとにした、歴史ドラマで、
原作は、なんと1853年に発表された
「Twelve Years a Slave」という本だそう。
「奴隷としての12年間」ってことだろうか。
映画の原題も原作と同じ。
 
 
そんなわけで、見た印象としては、
邦題が、さすがに意訳すぎやしないか。
希望としての夜なら、まだ明けてない気はするし、
辛くても生きなきゃってことなら、
あってる気もする。

 
この2つの意味がせめぎあってるシーンが
ひとつあって。
劇中のソロモンと奴隷仲間パティとの別れ。
いっぽうが農場に残って、
いっぽうが農場を去っていく。
誰が残るかはふせておきますけど。
 
どちらの視点で見るかで。、
意味合いが違うってところに表れている。
 
 
この作品、めちゃくちゃ編集上手いなと。
 
例えば、
奴隷として誘拐されるまで、
わずか7分で説明しきる。
しかも、セリフでの説明なしに。

随所随所に、編集のテンポの良さがあるので、
2時間をこえる作品にも関わらず
さらりと見られました。
 
 
そして、前フリも上手い。
「奴隷をムチ打ったあとは酒で忘れる」って
やり取りがあったあと、
ソロモンがムチを打たされる。というシーンや、
先に書いた、ソロモンとパティの別れ。
このシーンのずっと前。
映画序盤に、ソロモンが奴隷として
船で連れていかれる時、
似たシーンがあるんですよね。
 
上記2つ以外にも、
ソロモンの経験に、対比となるような
前フリが大体あるんですよ。
 
画の並びを、相当計算してるなぁ。と感じました。
 
 
やっぱり実話なので、
ヒーローがやってきてすっきり解決!
そんなわけにはいかず。
現在まで、問題が続いているような。
考えさせられる映画でした。

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