映画感想 “グエムル -漢江の怪物-”

映画

海洋爬虫類が陸上獣類に進化する中間みたいな生物が
漢江をかっぽする韓国版「ゴジラ」の話。

グエムル -漢江の怪物-

グエムル -漢江の怪物- スペシャル・プライス [DVD]

データ
公開:2006年9月(日本公開)
製作国:韓国
監督:ポン・ジュノ

あらすじ

ソウルの中心を流れる雄大な河、漢江(ハンガン)。
その河岸に突如として、正体不明の巨大生物<グエムル>が出現!
河川敷の売店で店番をしていたカンドゥの目の前で、
愛娘のヒョンソがグエムルに連れ去られてしまう。
さらに、韓国政府はグエムルが伝染病ウイルスの宿主だと声明を出す。
 
ウィルスに感染していると疑われ政府に隔離されてしまったカンドゥの一家4人。
ヒョンソの生存を信じる一家は病院を抜け出し、グエムルに立ち向かうことを決意する…。

一見すると、ウナギに手足が生えたようにも見える歪な姿。
そして、10mはあろうかという巨体をもつグエムル。
誕生経緯を見ると、実は魚かもしれない。
 
アメリカの科学者が片付け面倒だからと、
部下に命じて不要薬品を手当たり次第、
排水溝に捨てさせるところから物語はスタート。
 
実は、2000年代初頭、
在韓アメリカ軍の環境破壊が問題にあがっていた。
アメリカ軍が大量のホルムアルデヒトを川に流した事件だ。
水生生物への悪影響が示唆されたこの事件が、モチーフになっている。
 
このあたり、「ゴジラ」とすごく酷似している。
1954年、アメリカ軍による水爆実験の被害を受けた民間船、第五福竜丸の事件。
ゴジラ出現の経緯は、それが風刺されたのものだ。
ゴジラも水爆実験によって目覚めた。
その後、ゴジラは東京を火の海にするが、
グエムルもソウルを蹂躙していく。
 
エゴによって生まれたもの。
それによって、犠牲になるのは、何も知らない一般人。
この構図は、韓国版「ゴジラ」と言ってもいいかもしれない。
 
理不尽なものに対抗するには、より大きな理不尽。
ということの裏返しが「怪獣」なのかもしれない。
 
 
グエムルは単なる怪獣映画ではなく、
ウイルスパニックものの側面もある。
というか、この要素がすごく色濃い。
 
ウイルスには既視感あるね。
新型コロナウイルスもこんなかんじだったな。
コロナはコウモリが持っているとされたウイルスが広まったという説。
 
広まるきっかけは人間で。
では、人間はウイルスにどう対処したかというと、徹底隔離!
感染者、もしくは感染疑いのあるものは、閉じ込めておく。
規律を破るものは、徹底的に非難する。
そんな印象。
 
コロナで体験したものと、グエムルのウイルスへの対応描写がそっくり!
では、最終的にウイルスはどうなったか・・・?
 
映画のラストのラスト。
 
あそこはね。。。
エゴにより生まれ、のど元過ぎれば忘れてしまう。
そんな人間の愚鈍さを皮肉る最後だと思った。

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